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日経平均は5日続伸、需給イベント終了に伴う基調転換に注意

発行済 2022-06-09 12:07
更新済 2022-06-09 12:15
© Reuters.

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 日経平均は5日続伸。
44.16円高の28278.45円(出来高概算6億2079万株)で前場の取引を終えている。


 8日の米株式市場でNYダウは269.24ドル安と3日ぶり反落。
経済協力開発機構(OECD)が世界経済の見通しを大幅に引き下げたことを背景に、景気後退を警戒した売りが先行。
10年債利回りが再び3%台に達し、金利の上昇も重石となった。
また、天然ガス、原油価格の上昇でインフレ高進への警戒も強まり、主要株価指数は下げ幅を拡大した。
ナスダック総合指数は-0.73%と3日ぶり反落。
米株安を受けて日経平均は44.94円安からスタート。
1ドル=134円台に乗せた円安進行を支援要因に上昇に転じると、朝方28322.38円(88.09円高)まで上げ幅を広げる場面があった。
時間外取引のNYダウ先物の軟調推移が重石となり、上げ幅を縮める動きも見られたが、前引けにかけては持ち直した。


 個別では、米国市場での中国株の急伸を受けてソフトバンクG (TYO:9984)が大幅に上昇。
ファーストリテ (TYO:9983)、キーエンス (TYO:6861)、任天堂 (TYO:7974)など値がさグロ−ス(成長)株の一角が堅調。
原油価格の高騰を通じてINPEX (TYO:1605)、石油資源開発 (TYO:1662)が大きく上伸。
米長期金利の上昇で三菱UFJ (TYO:8306)が買い優勢。
円安進行を背景にSUBARU (TYO:7270)、日産自 (TYO:7201)が大幅高。
ほか、ダブル・スコープ (TYO:6619)、ベイカレント (TYO:6532)、メルカリ (TYO:4385)、SHIFT (TYO:3697)などが高い。
東証プライム市場値上がり率上位には連日でストップ安となっていたIRJHD (TYO:6035)や今期見通しが評価されたビューティガレージ (TYO:3180)のほか、SREHD (TYO:2980)、ソースネクスト (TYO:4344)などがランクイン。


 一方、バルチック海運指数の下落や世界の海運関連株の急落を受けて郵船 (TYO:9101)、商船三井 (TYO:9104)、川崎汽船 (TYO:9107)が軒並み急落。
米半導体大手インテルの最高財務責任者(CFO)がマクロ環境の見通しについてネガティブな見解を示したことで、前日のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は大幅に下落、これが嫌気され、東エレク (TYO:8035)、ルネサス (TYO:6723)、アドバンテスト (TYO:6857)など半導体関連株が全般大きく下げた。

シャープ (TYO:6753)、くら寿司 (TYO:2695)、アイモバイル (TYO:6535)、丹青社 (TYO:9743)などは決算が売りに繋がった。


 セクターでは鉱業、銀行、繊維製品が上昇率上位となった一方、海運、電気・ガス、鉄鋼が下落率上位となった。
東証プライムの値上がり銘柄は全体の50%、対して値下がり銘柄は46%となっている。


 20年ぶりの円安水準の記録更新が続くなか、日経平均は5日続伸と強い動きが継続。

前日に上回った200日移動平均線を下回ることなく、日足ローソク足は陽線を描き、下値と上値をともに切り上げている。


 また、前日の米国市場では10年債利回りが3%台に乗せ、ナスダックが下落、現在も時間外取引でナスダック100先物が下落している中にもかかわらず、本日の東証プライム市場値上がり率上位にはラクス (TYO:3923)、Sansan (TYO:4443)、マネーフォワード (TYO:3994)など中小型グロース株が多く入っている。
マザーズ指数も本日は2%近い上昇率で大幅高。
連日の日経平均の続伸劇を背景に連れ高している可能性もある。


 しかし、特段目立った材料が見当たらないなか、ファーストリテ、キーエンス、任天堂などの値がさ株の上昇率が大きいことから、先物主導での上昇と考えられる。
実際、今回の力強い上昇基調は先週から始まっているが、前日に公表された6月3日時点の裁定残高を見ると、ネットベースで8829.31億円の買い越しとなり、前週の5323.15億円の買い越しから大幅に増加。
今週に入ってからの上昇も先物主導の上昇による裁定買いの様相が強そうだ。


 海外勢は今年序盤から日本株を先物で大幅に売り越していたことから、足元では米金融政策に絡むイベントを前に、明日の6月限先物・オプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出に向けて、売り方の買い戻しが続いているのだろう。
しかし、明日にメジャーSQを通過したその晩には米5月消費者物価指数(CPI)が発表され、来週14~15日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が目前に迫る。
タイミングとしてはそろそろ買い戻しも一服する頃合いと考えられよう。


 株価指数の水準としても、日経平均は本日、3月25日に付けた高値28338.81円を手前に失速しており、心理的な節目となる28500円にはまだ距離があるところ。
明日、SQ値を下回って推移するようなことになると、需給イベント終了に伴い、改めて下落基調に転じる可能性があろう。


 一方、米国市場では、最近、ナスダックの乱高下がほとんど見られなくなり、ボラティリティー(変動率)がかなり落ち着いてきている。
また、先行性の高い小型株で構成されるラッセル2000が、各時点での高値を結んで形成される右肩下がりのトレンドラインをブレイクしてからも概ね堅調に推移するなど、相場の底堅さを見せる明るい材料もいくつか確認される。


 このように、強弱材料が混在する中ではあるが、上述したように、目先は明日のメジャーSQを起点としたトレンド転換に注意しておきたい。


 後場の日経平均は円安進行を背景に底堅い推移が見込まれるものの、時間外取引の米株価指数先物やアジア市況の軟調が重石となり、同時に上値も重い展開が想定される。
明日の米5月CPIを前に模様眺めムードも台頭しやすいだろう。
指数はもみ合いになるとみておきたい。

(仲村幸浩)

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