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東芝総会、「物言う株主」の2人選任 再建へ戦略案絞り込み

発行済 2022-06-28 08:00
更新済 2022-06-28 13:45
© Reuters.  東芝は6月28日午前に定時株主総会を開き、経営再建の舵取りを担う取締役候補13人の選任案を諮る。都内で2017年2月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 28日 ロイター] - 東芝が28日に開いた定時株主総会は、同社が提案した取締役候補13人全員を選任した。うち2人は非上場化を求める「物言う株主(アクティビスト)」の出身。現職の社外取締役が2人の選任に反対を表明する異例の展開の中、株主の判断が注目されていた。東芝は新たな取締役体制のもと、再建に向けた戦略案を絞り込む。

東芝が提案した取締役候補は13人で、7人が新任、6人が再任だった。新任候補のうち、今井英次郎氏とナビール・バンジー氏はそれぞれ米ファラロン・キャピタル・マネジメントと米エリオット・マネジメントという主要株主の幹部。現職の社外取締役で指名委員会委員の綿引万里子氏は2人の選任に反対し、6日公表の総会招集通知にその事実が注記される異例の事態に発展した。

総会に出席した株主からも2人の選任について、独立性を疑問視する意見や利益相反を指摘する声が出た。指名委員会委員長のレイモンド・ゼイジ取締役は、複数の法律事務所が独立性やリスクを検討したと説明。「候補者と合意書を締結しており、東芝に対する独立は担保されている」と語った。

綿引氏は反対する理由を改めて説明し、「(合意書について)日本の法律家として多くの株主に善管注意義務を果たすことができないのではないかと考えた」と述べた。一方、ファンドの推薦を受けて2019年から社外取締役を務める外国籍の4人に言及し、「3年間独立社外取締役としてきちっと仕事してこられた。(彼らが)ファンド寄りとは一切申し上げていない」と語った。

午前10時に始まった総会は取締役選任案を含む2つの議案を可決し、正午過ぎに終了した。

東芝は同日、取締役会を開いて誰がどの委員に就くのかなどを決める。新しい取締役の布陣のもと、再建に向けて公募した戦略案を絞り込む。東芝が5月末に締め切った募集には10件の1次提案があり、うち8件が非上場化に関する案で、残り2件は上場維持を前提とした資本業務提携に関する案だった。東芝は最終選考に進む候補を決めた後、7月以降に資産査定の機会を設け、法的拘束力のある提案の提出を求める。

総会では株主から非上場化への反対意見が複数出たが、島田太郎社長は「すべての選択肢を検討を続けていきたい。最後に株主の皆さまに納得してもらえる結果を提示したい」と語った。

東芝が4月に設置した特別委員会委員長のジェリー・ブラック取締役は、非公開化すべきか否かの判断はなされていないとした上で、「強い東芝の実現にはスピードと明確な方向性が必要で、これには非公開化が助けになるかもしれない」と述べた。検討の手続きは複雑で、結論を出す時期を提示するのは時期尚早と説明した。

複数の関係者によると、米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、香港のベアリング・プライベート・エクイティ・アジア、米ブラックストーン、米ベインキャピタル、カナダのブルックフィールド・アセット・マネジメント、MBKパートナーズ、米アポロ・グローバル・マネジメント、英CVCキャピタル・パートナーズが1次提案を提出した。複数のファンドが連合を組む可能性もあるという。

産業革新投資機構など日本のファンドのほか、複数の事業会社も参画を検討している。

原子力関連事業など経済安全保障上の重要技術を持つ同社を買収するには外為法に基づく政府審査を通る必要があり、非上場化には国内勢の参加が必要との指摘がある。

(佐古田麻優、久保信博 編集:田中志保)

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