[台北 5日 ロイター] - 電子機器受託生産世界最大手の台湾企業、鴻海精密工業は4日、通期業績は「ゼロ成長」としていた従来の見通しよりも上振れると明らかにした。具体的な数字などは示していない。また第3・四半期についても前年同期に比べて「相当な伸び」になると強調した。
同社はこれまで他のメーカーと同様に深刻な半導体不足への対応に苦戦を強いられてきた。ただ6月は、サプライチェーン(供給網)を適切に管理し、スマートフォンなどの消費者向け電子製品の売れ行きが上向いたおかげで、同社の売上高は前年比31%増えて同月として過去最高を記録した。
また同社によると、今年これまでのサーバーと通信機器の売上高伸び率は2桁で推移しているという。
大和証券キャピタル・マーケッツ(台北)はリポートで、米クラウドサービス業者のサーバー需要がセクターの2桁成長に寄与したと指摘し、鴻海の通期営業利益は12─19%増加すると予想した。
モルガン・スタンレーのアナリストは、鴻海の強気な第3・四半期予想はクラウド・サーバーやiPhone製造の強い需要が続くことを示すとの見方を示した。
5日の鴻海の株価は一時3%上昇し、2.5%高で引けた。0.9%高だった台湾市場株価指数をアウトパフォームした。同社株は年初来で約1.4%安となっている。