[北京 25日 ロイター] - 中国の未婚女性が卵子凍結の権利保護を求めて北京の病院を相手取り起こした裁判の判決がこのほど下され、女性側は敗訴した。
訴訟を起こしたのは現在34歳のテレサ・シュウさんで自身が独身であることを理由に病院が卵子凍結を拒否したことは権利侵害に当たると主張。中国で女性が妊娠・出産の権利保護を求めて訴訟を提起するのは異例。
シュウさんは2018年に北京の産婦人科病院で、当面キャリアに専念するため卵子を凍結したいと相談。しかし、医師は配偶者の有無を尋ねた上で卵子を凍結するよりもすぐに子供をつくった方がいいと応じた。2回目の訪問でも卵子凍結を拒否されたという。
中国では健康な女性が出産時期を遅らせるために生殖補助医療を受けることは難しい。国の規則では、不妊症治療など医療目的であればそのような技術の使用が認められている。
北京市朝陽区人民法院は先週の判決で、生殖補助医療技術の具体的な適用に関する明確な法律が存在しないとした一方で、医療目的で提供されなければならないとした。ロイターが判決文の写しを入手し、本物だと確認した。
シュウさんは判決に「憤っている」として上訴する考え。ただ、微信(ウィーチャット)に投稿した動画では「一時的な挫折」だとして中国の独身女性の妊娠・出産の権利は今後改善・前進すると信じていると強調した。
*カテゴリーを追加して再送します。