■28000円が遠い、円高・ドル安が重荷
今週の日経平均は週間で113.02円安(-0.40%)と4週ぶりに反落。
先週に回復したばかりの52週移動平均線を僅かに下回ったものの、26週線や200日線上は維持した。
週初の日経平均は215.41円安と8日ぶりに反落。
連日の上昇の反動が意識されるなか、米7月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が約2年ぶりに拡大・縮小の境界値となる50を割り込んだことで、景気後退懸念が重荷になった。
翌26日は44.04円安と小幅続落。
米連銀各行が公表する景気指標が軒並み予想を下回ったことや、米小売のウォルマートが業績予想の下方修正を発表したことが投資家心理を悪化させた。
一方、27日は60.54円高と反発。
国際通貨基金(IMF)が成長率見通しを引き下げたことに加え、米国の7月消費者信頼感指数や6月新築住宅販売件数が軒並み予想を下回ったが、アルファベットとマイクロソフトの決算が想定程に悪くなかったことで、安心感から買い戻しが優勢となった。
28日は99.73円と続伸。
連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.75ptの利上げが決定。
あく抜け感が台頭したほか、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が今後の利上げペースについて慎重な姿勢を示したため、買い戻しが強まった。
ただ、日経平均は心理的な節目の28000円回復直後に失速した。
週末29日は13.84円安と反落。
米4-6月期国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となったが、FRBの大幅利上げを回避できるとの期待から前日の米株式市場は続伸。
FOMC直後に上昇しても翌日以降に下落することの多かった米国株が続伸したことで、投資家心理が上向いた。
しかし、日経平均はこの日も寄り付き直後に28000円まで上昇した後は失速し、28000円をすぐに割り込む展開。
決算を発表したアップルとアマゾン・ドット・コムが揃って良好な内容から時間外取引で株価が大幅に上昇していたものの、1ドル=132円台まで急速に進行した円高・ドル安が重荷となった
■決算受けた個別株物色中心、米雇用統計に注目
来週の東京株式市場はもみ合いか。
週末に発表される米7月雇用統計を前に全体は様子見となりそうだ。
国内では決算発表が本格化しており、決算を受けた個別株物色が中心となろう。
他方、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する7月製造業景気指数や中国7月財新製造業PMIなど重要な景気指標が発表される。
米ISM製造業景気指数は前回6月分が予想を大きく下回って大幅に悪化した。
前月並みが予想されている7月分も更に低下すると、投資家心理を悪化させそうだ。
中国財新PMIも、「ゼロコロナ」政策による行動制限が続けていられるなか、今回の7月分は回復が鈍い可能性がある。
エネルギー価格の高騰に苦しんでいる欧州を含め、世界経済の中心である米・中・欧の3地域の景気低迷は相場全体の重荷になろう。
週半ば以降に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国で構成されるOPECプラス会合と英国金融政策委員会にも注目。
バイデン米大統領は先日、サウジアラビアのムハンマド皇太子などと会談し、原油増産を要請したが、その後明確な増産メッセージは伝えられていない。
OPECプラスの結果が米国の要請を意に介さない結果となれば、原油先物価格が再び上昇する可能性がある。
インフレが加速中の英国では大幅な利上げの可能性があり、利上げ幅によっては再びグローバルな金融引き締め懸念が台頭する可能性があろう。
7月FOMC後、FRBのパウエル議長は次回9月会合の利上げ幅は「経済データ次第」とした。
議長は会見で消費や雇用の減速を認識したこともあり、市場は景気後退に伴う利上げペース減速への期待を高めている。
しかし、FRBは依然としてインフレ抑制を最優先事項として掲げている。
その物価指標にまだ明確な減速の兆しは見られていない。
インフレピークアウトの根拠とされる資源価格の下落も、足元では一服。
むしろ、原油先物価格は反発しており、天然ガス価格は欧米で急騰中だ。
米雇用統計での平均賃金の伸びも高水準が続いている。
週末に発表される雇用統計で平均賃金に減速の傾向が確認されなければ、翌週8月10日に控える米7月消費者物価指数(CPI)の発表を前に再び警戒感が高まりそうだ。
米国では主要株価3指数が揃って100日移動平均線を回復。
「悪いニュースは良いニュース」といった捉え方が続いており、買い戻しや商品投資顧問(CTA)などの買いも入っているようだ。
しかし、主要企業の決算を大方終え、材料不足のなか、行き過ぎた悲観の修正が長期化するとは考えにくい。
日経平均も大きくリバウンドしてきたが、節目の28000円回復には至っておらず、一段高には材料不足の様子。
これまで欧米株対比での日本株の底堅さに繋がってきた為替の円安・ドル高もピーク時に付けた1ドル=139円台から大きく円高・ドル安に傾いてきており、支援要因が無くなってきている。
景気後退懸念が深まるなか、グローバルな景気敏感株とも称される日本株にとっては逆風が強くなっているともいえ、日経平均の28000円定着には時間がかかりそうだ。
■米ISM景気指数、米雇用統計、OPECプラスなど
来週は8月1日に7月新車販売台数、中国7月財新PMI、米7月ISM製造業景気指数、3日に米6月製造業受注、米7月ISM非製造業景気指数、OPECプラス会合、4日に英国金融政策委員会、米6月貿易収支、5日に6月毎月勤労統計調査、米7月雇用統計、米6月消費者信用残高などが発表予定。
今週の日経平均は週間で113.02円安(-0.40%)と4週ぶりに反落。
先週に回復したばかりの52週移動平均線を僅かに下回ったものの、26週線や200日線上は維持した。
週初の日経平均は215.41円安と8日ぶりに反落。
連日の上昇の反動が意識されるなか、米7月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が約2年ぶりに拡大・縮小の境界値となる50を割り込んだことで、景気後退懸念が重荷になった。
翌26日は44.04円安と小幅続落。
米連銀各行が公表する景気指標が軒並み予想を下回ったことや、米小売のウォルマートが業績予想の下方修正を発表したことが投資家心理を悪化させた。
一方、27日は60.54円高と反発。
国際通貨基金(IMF)が成長率見通しを引き下げたことに加え、米国の7月消費者信頼感指数や6月新築住宅販売件数が軒並み予想を下回ったが、アルファベットとマイクロソフトの決算が想定程に悪くなかったことで、安心感から買い戻しが優勢となった。
28日は99.73円と続伸。
連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.75ptの利上げが決定。
あく抜け感が台頭したほか、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が今後の利上げペースについて慎重な姿勢を示したため、買い戻しが強まった。
ただ、日経平均は心理的な節目の28000円回復直後に失速した。
週末29日は13.84円安と反落。
米4-6月期国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となったが、FRBの大幅利上げを回避できるとの期待から前日の米株式市場は続伸。
FOMC直後に上昇しても翌日以降に下落することの多かった米国株が続伸したことで、投資家心理が上向いた。
しかし、日経平均はこの日も寄り付き直後に28000円まで上昇した後は失速し、28000円をすぐに割り込む展開。
決算を発表したアップルとアマゾン・ドット・コムが揃って良好な内容から時間外取引で株価が大幅に上昇していたものの、1ドル=132円台まで急速に進行した円高・ドル安が重荷となった
■決算受けた個別株物色中心、米雇用統計に注目
来週の東京株式市場はもみ合いか。
週末に発表される米7月雇用統計を前に全体は様子見となりそうだ。
国内では決算発表が本格化しており、決算を受けた個別株物色が中心となろう。
他方、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する7月製造業景気指数や中国7月財新製造業PMIなど重要な景気指標が発表される。
米ISM製造業景気指数は前回6月分が予想を大きく下回って大幅に悪化した。
前月並みが予想されている7月分も更に低下すると、投資家心理を悪化させそうだ。
中国財新PMIも、「ゼロコロナ」政策による行動制限が続けていられるなか、今回の7月分は回復が鈍い可能性がある。
エネルギー価格の高騰に苦しんでいる欧州を含め、世界経済の中心である米・中・欧の3地域の景気低迷は相場全体の重荷になろう。
週半ば以降に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国で構成されるOPECプラス会合と英国金融政策委員会にも注目。
バイデン米大統領は先日、サウジアラビアのムハンマド皇太子などと会談し、原油増産を要請したが、その後明確な増産メッセージは伝えられていない。
OPECプラスの結果が米国の要請を意に介さない結果となれば、原油先物価格が再び上昇する可能性がある。
インフレが加速中の英国では大幅な利上げの可能性があり、利上げ幅によっては再びグローバルな金融引き締め懸念が台頭する可能性があろう。
7月FOMC後、FRBのパウエル議長は次回9月会合の利上げ幅は「経済データ次第」とした。
議長は会見で消費や雇用の減速を認識したこともあり、市場は景気後退に伴う利上げペース減速への期待を高めている。
しかし、FRBは依然としてインフレ抑制を最優先事項として掲げている。
その物価指標にまだ明確な減速の兆しは見られていない。
インフレピークアウトの根拠とされる資源価格の下落も、足元では一服。
むしろ、原油先物価格は反発しており、天然ガス価格は欧米で急騰中だ。
米雇用統計での平均賃金の伸びも高水準が続いている。
週末に発表される雇用統計で平均賃金に減速の傾向が確認されなければ、翌週8月10日に控える米7月消費者物価指数(CPI)の発表を前に再び警戒感が高まりそうだ。
米国では主要株価3指数が揃って100日移動平均線を回復。
「悪いニュースは良いニュース」といった捉え方が続いており、買い戻しや商品投資顧問(CTA)などの買いも入っているようだ。
しかし、主要企業の決算を大方終え、材料不足のなか、行き過ぎた悲観の修正が長期化するとは考えにくい。
日経平均も大きくリバウンドしてきたが、節目の28000円回復には至っておらず、一段高には材料不足の様子。
これまで欧米株対比での日本株の底堅さに繋がってきた為替の円安・ドル高もピーク時に付けた1ドル=139円台から大きく円高・ドル安に傾いてきており、支援要因が無くなってきている。
景気後退懸念が深まるなか、グローバルな景気敏感株とも称される日本株にとっては逆風が強くなっているともいえ、日経平均の28000円定着には時間がかかりそうだ。
■米ISM景気指数、米雇用統計、OPECプラスなど
来週は8月1日に7月新車販売台数、中国7月財新PMI、米7月ISM製造業景気指数、3日に米6月製造業受注、米7月ISM非製造業景気指数、OPECプラス会合、4日に英国金融政策委員会、米6月貿易収支、5日に6月毎月勤労統計調査、米7月雇用統計、米6月消費者信用残高などが発表予定。