[デトロイト 30日 ロイター] - 米国道路安全保険協会(IIHS)が30日発表した試験結果で、自動車メーカーが歩行者に衝突するのを防ぐために導入している自動ブレーキシステムの多くは暗闇でうまく機能しないことが判明した。
協会は23車種のセダン、中型SUV(スポーツ用多目的車)、小型トラックについて試験を実施。そのうち12車種が夜間のテストでダミー歩行者を検知できなかったり、十分な減速ができなかったりして、評価が「ベーシック」または「ノークレジット」となった。協会によると、歩行者死亡事故の約4分の3が夜間に発生している。
2023年モデル以降、協会から「トップセーフティーピック+」の評価を受けるには、夜間歩行者検知テストで「スーペリア」か「アドバンスド」の評価を得ることが必要になる。
協会が歩行者検知技術に注目しているのは、米国の道路で歩行者が自動車にはねられる死亡事故が急増しているためだ。連邦政府の統計によると、21年の歩行者死亡事故は前年比13%増の7342件で、09年からは80%増加している。
歩行者を検知する自動ブレーキシステムには、まだ政府による試験や性能基準がない。