[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米国株投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)に連動する先物が21日の取引で、市場の売り圧力拡大を示す歴史的なシグナルを発した。ただ、このシグナルは時折、市場の反発にも先行してきた。
連邦公開市場委員会(FOMC)結果を受けた米株市場の下落を受け、VIX先物10月限は11月限を0.28ポイント上回り、スプレッドが6月半ば以来の水準に拡大した。
VIX先物は数カ月先のボラティリティー見通しを反映し、通常は期近物が期先物と比べ相対的に割安となり、右上がりの曲線を描く。
これが逆転すると、投資家が短期的なイベントへの懸念を強めていることを示す。
このようなシグナルは2020年以降5回顕著に現れ、このうち2回は最近の6月中旬を含め、その後の市場反発につながっている。
期近2つのVIX先物の反転が起きたのは、直近では株式市場で売りが加速しS&P総合500種が弱気相場入りした6月。S&Pはその後、短期間で17%反発した。ただ、FRBのタカ派姿勢強化への懸念からこの上昇の大部分を消す展開となっている。
サスケハナ・インターナショナル・グループのデリバティブ戦略共同責任者、クリス・マーフィー氏は、今回の反転は売り圧力拡大を示唆している可能性があるものの、必ずしも市場の下落局面がすぐに終わるというシグナルではないと指摘した。