[上海 21日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は21日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を市場の予想通り据え置いた。据え置きは3カ月連続。
人民元安と持続的な資本流出により、当局は景気支援に向けた金融緩和の余地が依然として制限されている。
ただ、信用需要の低迷と成長見通し悪化を受け、一部の市場関係者やアナリストは不動産セクターを支援するために5年物LPRが早ければ来月にも小幅に引き下げられると予想している。
1年物LPRは3.65%、5年物LPRは4.30%に据え置かれた。
ロイター調査では回答者22人全員が1年物の据え置きを予想。5年物については5人が引き下げを見込んでいた。
人民銀は15日、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて同日満期を迎える融資の一部となる8500億元(1202億1000万ドル)をロールオーバー。金利を3カ月連続で2.75%に据え置いていた。
MLF金利はLPRの指針として機能している。
最新のデータによると、外国人投資家は人民元建て債券を9カ月連続で売り越しており、売り越しの連続期間として過去最長を記録した。
人民元は対ドルで年初来10%超下落している。
しかし、ANZの中国担当シニアトラテジスト、Xing Zhaopeng氏は「不動産市場が低迷しているため、12月に5年物LPRが引き下げられる可能性がある」と述べた。
MUFG銀行(中国)のチーフ金融市場アナリスト、マルコ・サン氏も、今後数カ月で5年物LPRが10─15ベーシスポイント(bp)引き下げられる可能性に言及した。
中国の新規・既存融資は主に1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローン金利に影響する。
人民銀は景気支援のため8月に両LPRを引き下げていた。