日経平均は3日続落、中国リスクや米連銀総裁タカ派発言が重石

日経平均は3日続落。
28日の米株式市場でダウ平均は497.57ドル安と大幅反落。
中国での「ゼロコロナ」政策に対する市民の抗議行動の拡大を受けて、サプライチェーン混乱を懸念した売りが広がった。
また、セントルイス連銀のブラード総裁らが来年の利上げ継続の可能性に言及するなど、タカ派な姿勢を見せたことも重石となった。
ナスダック総合指数は−1.57％と大幅続落。
米国株安を受けて日経平均は171.33円安からスタートも、序盤に27899.98円（262.85円安）まで下落した後は下げ渋る展開。
当局の規制緩和への期待から香港ハンセン指数が大きく上昇していたことも投資家心理を下支えし、日経平均は前場中ごろには28055.91円まで下げ幅を縮小。
一方、中国当局が新型コロナ防疫措置に関する記者会見を日本時間16時から開くと発表したことで、午後は様子見ムードが広がった。


　大引けの日経平均は前日比134.99円安の28027.84円となった。
東証プライム市場の売買高は11億5665万株、売買代金は2兆7239億円だった。
セクターでは電気・ガス、金属製品、輸送用機器が下落率上位となった一方、鉱業、空運、非鉄金属が上昇率上位となった。
東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の68％、対して値上がり銘柄は28％だった。


　個別では、レーザーテック (TYO:6920)、ルネサス (TYO:6723)、アドバンテスト (TYO:6857)などの半導体関連から、キーエンス (TYO:6861)、SMC (TYO:6273)、ダイキン (TYO:6367)、ソニーＧ (TYO:6758)、日本電産 (TYO:6594)などの値がさのハイテク株が総じて下落。
また、中国工場での混乱を通じた米アップルのスマートフォン生産への影響を懸念し、TDK (TYO:6762)、村田製 (TYO:6981)、太陽誘電 (TYO:6976)、イビデン (TYO:4062)などが大幅安。
中国武漢市での工場稼働停止を嫌気し、ホンダ (TYO:7267)が売られ、トヨタ自 (TYO:7203)、日産自 (TYO:7201)などの他の自動車株も軒並み売られた。
エーザイ (TYO:4523)は、バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」との関連性が考えられる2例目の死亡が報告されたことが警戒されて急落。
バカマツタケの商業生産設備の着工の延期を発表した多木化学 (TYO:4025)
も急落となった。


　一方、三菱UFJ (TYO:8306)、みずほFG (TYO:8411)、りそなHD (TYO:8308)、東京海上HD (TYO:8766)、第一生命HD (TYO:8750)の金融が全般堅調。
ファーストリテ (TYO:9983)のほか、三菱重工 (TYO:7011)、川崎重工 (TYO:7012)、IHI (TYO:7013)の防衛・原発関連株も高い。
グロース株ではSHIFT (TYO:3697)とZOZO (TYO:3092)が逆行高。
ほか、三越伊勢丹HD (TYO:3099)、高島屋 (TYO:8233)、JR西日本 (TYO:9021)、エアトリ (TYO:6191)のリオープン関連や、住友鉱山 (TYO:5713)、大阪チタ (TYO:5726)、INPEX (TYO:1605)などの資源関連の上昇が目立った。
ベクトル (TYO:6058)は国内証券による新規買い推奨が好感されて急伸。
太平洋セメント (TYO:5233)は国内証券によるレーティング格上げ、石原産業 (TYO:4028)は国内証券による目標株価の引き上げを受けてそれぞれ大幅高。
三櫻工業 (TYO:6584)は大手自動車グループであるステランティス・グループからブレーキ配管を受注したと発表したことが好感された。