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日経平均は反発。
30.84円高の27808.74円(出来高概算5億4217万株)で前場の取引を終えている。
前週末2日の米株式市場のNYダウは34.87ドル高(+0.10%)と反発。
11月雇用統計で雇用者数や賃金が想定以上の伸びとなり売りが優勢に。
ただ、インフレや金利ピークの思惑も根強く、押し目からの買いに下げ止まった。
さらに、別世帯調査の結果では雇用が減少したことが明らかになり金利が伸び悩むと買い戻しが強まり終盤にかけて、ダウは上昇に転じた。
ナスダック総合指数は小幅安、まちまちな展開となった米株市場を受けて、日経平均は前週末比24.91円安の27752.99円と小幅続落でスタート。
その後は、プラス圏に浮上するも上げ幅は限定的で、前日終値付近でのもみ合い展開が続いている。
個別では、東エレク (TYO:)やレーザーテック (TYO:)などの一部の半導体関連株が堅調に推移、ファナック (TYO:)やJFEホールディングス (TYO:)、日本製鉄 (TYO:)、エーザイ (TYO:)などが大幅に上昇。
メルカリ (TYO:)やダブル・スコープ (TYO:)、ベイカレント (TYO:)などのグロース株も上昇している。
既存店売上は5カ月ぶりマイナスもネガティブ反応が限定的となったファーストリテ (TYO:)も大幅上昇。
ほか、ハークスレイ (TYO:)、テモナ (TYO:)、セック (TYO:)などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、三菱UFJ (TYO:)や三井住友 (TYO:)などの金融株、三菱商事 (TYO:)などの商社株、日本郵船 (TYO:)や商船三井 (TYO:)などの海運株が軟調に推移した。
任天堂 (TYO:)
やオリンパス (TYO:)、トヨタ自 (TYO:)、日立 (TYO:)なども下落した。
上半期決算が下振れ着地となったアインHD (TYO:)が大幅下落、そのほか、BEENOS (TYO:)、日医工 (TYO:)、日本電波工業 (TYO:)などが東証プライム市場の値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは鉄鋼、鉱業、空運が上昇率上位となった一方、電気・ガス業、精密機器、水産・農林業が下落率上位となった。
東証プライムの値上がり銘柄は全体の25%、対して値下がり銘柄は71%となっている。
本日の日経平均株価は、売り買いが交錯して動意の乏しい展開が継続している。
今週は週末に12月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えている他、足元での為替の円高推移が引き続き重荷となる。
一方で先週末の大幅な下げに対するリバランスの動きも意識されやすく、積極的な動きは限られるとはいえ、底堅い展開を予想する声が市場からは聞かれている。
そのほか、中国・香港市況は堅調に推移している一方、米株先物は軟調な展開が続いている。
一方、新興市場は軟調な展開が続いている。
マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落してスタートした。
その後は、じりじりと下げ幅を拡げてマイナス圏での軟調な展開となっている。
米11月雇用統計で非農業部門雇用者数と平均賃金の伸びが大きく市場予想を上回っており、国内の投資家心理が悪化している可能性がある。
また、新興市場では12月のIPOラッシュを前にした換金売りも広がっている可能性もある。
前引け時点で東証マザーズ指数が1.38%安、東証グロース市場Core指数が0.67%安となっている。
さて、前週末2日に米11月雇用統計が発表された。
非農業部門雇用者数が+26.3万人と市場予想(+20万人)を大きく上振れたほか、平均賃金の伸びは前月比+0.6%と市場予想(+0.3%)より伸び、前年同月比5.1%上昇した。
失業率は3.7%で市場予想と同水準、前月比で横ばいだった。
雇用統計の結果は金融引き締め懸念を強める内容となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の利上げペース減速が十分に正当化されるほど経済が弱くなっているという市場の見方を打ち消す格好となった。
米11月雇用統計の結果に対して市場関係者からは、「市場にとっては悪い統計だと言えそうだ。
」「今回の雇用者数の伸びはやや衝撃だった。
」「11月の雇用統計はFRBのインフレとの戦いにとって明らかに悪いニュースだ。
」などネガティブな声が散見されている。
パウエル議長は先週、インフレ抑制には雇用市場の需給の緩みや企業の収益率鈍化が必要になるとの認識を示しており、こうした統計は懸念材料と捉えられている。
また、5日のブルームバーグでも、「米金融当局者の眼前には憂慮すべきインフレデータが十分なほどある。
」と述べられている。
FRBは今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.5ポイントの利上げを実施した後、来年の会合でも同じ幅で引き上げる必要が生じるかもしれないことを示唆している。
セントルイス連銀のブラード総裁は、FRBは政策金利を「最低」でも5-5.25%に引き上げるべきだと述べているようだ。
FRBが政策金利のピーク水準を引き上げ、長期にわたってその状態を維持せざるを得ない可能性があるとの見方が台頭している。
前週の当欄では、多くの市場関係者が来年の株式市場の更なる下落を予想し始めたため、大方の予想に反して12月末から大きな下落が生じる可能性もあると示唆した。
あくまで予想にすぎないが、「タックスロス・セリング」にも警戒しておきたい。
これは、あえて保有していたポジションを処分して損を確定させ、今までの実現益と相殺することで少しでも納税を軽減させようとする動きである。
例年12月中旬から年末にかけて活発になるため、このような動きが相場に影響する可能性も頭の片隅に置いておきたい。
現段階では、米10月CPIや卸売物価指数(PPI)、個人消費支出(PCE)コアデフレータではインフレのピークアウト感が見られており、インフレ減速・利上げペース減速への期待は根強く残ると考えられている。
今後は、週末9日の米11月PPI、来週13日の米CPI発表を控えている。
景気後退懸念が強まっているなか、インフレ減速・利上げペース減速が再度確認されるか、やはり再度注目が集まるだろう。
さて、後場の日経平均は、もみ合い展開が続くか。
米株先物の動向を横目に、上値の重い展開が継続するか注目しておきたい。
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