[東京 9日 ロイター] - 9日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比371円78銭高の2万7946円21銭と3営業日ぶりに反発した。前日の米国株市場で主要3指数が上昇したことを好感し、日本株も堅調な展開となった。特に、前日まで軟調だった半導体関連や電子部品関連などハイテク銘柄の上昇が目立ち、指数を押し上げた。
前日の米株市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継ぎ、日本株は寄り付きで前営業日比約60円高と買い先行でスタートした。その後も上げ幅を拡大し、前引けにかけては約380円高まで上昇。ただ、来週は13―14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催、13日に11月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることから投資家の様子見姿勢は強く、2万7900円台半ば付近では上値の重さも意識された。
ニッセイ基礎研究所、井出真吾チーフ株式ストラテジストによると「前日の米国市場で特にハイテク株の構成比が高いナスダックが大幅上昇したことが、買いのタイミングを狙っていた投資家にとって手掛かり材料となった」という。
井出氏は目先の日経平均の動きについて、午前に堅調な展開だったことから後場は少し押し戻される可能性があるとし、「終値で2万8000円をトライできるかが注目」と話した。
TOPIXは1.17%高の1964.30ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆7106億0300万円だった。東証33業種では、電気・ガス業、電気機器、精密機器など30業種が値上がり。鉱業、石油・石炭製品、水産・農林業の3業種は値下がりした。
株式市場筋によると、12月限日経平均先物ミニ・オプションの最終決済に関わる日経平均のSQ(特別清算指数)値は2万7576円37銭となった。
個別では、武田薬品工業が前日比1.7%高でしっかりで、年初来高値を更新した。同社は8日、開発したデング熱ワクチン「QDENGA」が欧州連合(EU)での使用承認を得たと発表し、材料視された。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1435銘柄(78%)、値下がりが320銘柄(17%)、変わらずが81銘柄(4%)だった。