40%引きでご購読
新規!💥 ProPicksを手に入れ、S&P 500を1,183%を超える投資成績を実現した、戦略をご覧ください40%割引で開始

日経平均は4日ぶり反発、200日線が下支えも下放れ懸念が拭えない

発行済 2022-12-20 12:07
更新済 2022-12-20 12:15
© Reuters.

© Reuters.

 日経平均は4日ぶり反発。
77.90円高の27315.54円(出来高概算4億6783万株)で前場の取引を終えている。


 19日の米株式市場でダウ平均は162.92ドル安(−0.49%)と4日続落。
先週大きく下げていたため、寄り付きこそ小幅に上昇したものの、終日軟調に推移。
米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続が景気を冷やし、企業業績が悪化するとの懸念が引き続き相場の重荷となった。
また、長期金利が上昇したこともハイテク株を中心とした売りにつながった。
ナスダック総合指数は−1.48%と4日続落。
他方、先週末からの連日の大幅下落を受けた値ごろ感や200日移動平均線手前からの反発を狙った買いで、日経平均は19.71円高と反発してスタート。
断続的な買いで徐々に上値を伸ばし、前場中ごろには27339.49円(101.85円高)まで上昇した。


 個別では、今期の追加株主還元を示唆した社長インタビューが伝わった川崎汽船 (TYO:9107)が大幅高となり、郵船 (TYO:9101)、商船三井 (TYO:9104)も連れ高。
米長期金利が上昇したことを受け、三菱UFJ (TYO:8306)、三井住友 (TYO:8316)、第一生命HD (TYO:8750)、SOMPO (TYO:8630)の金融が軒並み上昇。
原油価格の上昇などを背景にINPEX (TYO:1605)のほか、三井物産 (TYO:8031)、三菱商事 (TYO:8058)、住友商事 (TYO:8053)、丸紅 (TYO:8002)の商社が高い。


 防衛省の2023年度予算案に関する報道を材料に三菱重 (TYO:7011)、川崎重 (TYO:7012)、IHI (TYO:7013)の防衛関連が堅調で、カーリットHD (TYO:4275)、東京計器 (TYO:7721)、豊和工業 (TYO:6203)
も関連株として人気化。
株主優待制度の一部変更と拡充を発表したソーダニッカ (TYO:8158)、プラズマ援用研磨装置の開発機を受注したジェイテックコーポレーション (TYO:3446)なども急伸。
積水化 (TYO:4204)は国内証券のレーティング格上げが好感された。


 一方、東エレク (TYO:8035)、ソニーG (TYO:6758)、日本電産 (TYO:6594)、エムスリー (TYO:2413)、SHIFT (TYO:3697)、イビデン (TYO:4062)などのハイテク・グロース株の一角が軟調。
サイボウズ (TYO:4776)、BEENOS (TYO:3328)、ネットプロHD (TYO:7383)、SREHD (TYO:2980)などの中小型株が東証プライム市場の値下がり率上位に並んだ。


 セクターでは、海運、保険、鉱業が上昇率上位となった一方、サービス、ガラス・土石、パルプ・紙が下落率上位となった。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の63%、対して値下がり銘柄は32%となっている。


前日の米株式市場はハイテク株を中心に下落し、主要株価指数は4日続落となったが、本日の日経平均は反発し、底堅い展開となっている。
前日も大きく下落したものの、200日移動平均線が下値支持線としてしっかり機能し、本日も同線がサポートしている。


 一方、景気減速のスピードが加速してきている中、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が必要以上に金融引き締めを長期化し、過度な景気後退につながりかねないとの懸念は根強い。
米国株が下値模索の展開となれば、日本株も無傷ではいられないだろう。


 こうした中、懸念要素は景気や企業業績といったファンダメンタルズだけでなく、需給面でもある。
先週、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのクロスアセットストラテジストが、S&P500種株価指数が15日に3895.75で引けた中、同指数が3933を下回って推移を続けた場合、商品投資顧問業者(CTA)などのトレンドフォロー型ファンドが売りに転じる可能性が高いと指摘していた。
実際、13日の一時200日移動平均線超えをピークに、綺麗に再び下落基調に転じているS&P500は、週明けも下落が続いている。


 先週の間に、各国中央銀行の金融政策イベントを終え、海外では機関投資家が徐々にクリスマス休暇に入り始めている。
実需筋の売買が減少することで株式市場の流動性は低下し、薄商いでボラティリティーが高くなりやすい中、CTAなど短期筋の売りが膨らめば、米国株の下値模索の展開は十分に考えられる。


 今晩は物流大手フェデックス、スポーツアパレルブランドのナイキの決算が予定されている。
フェデックスは9月に、世界的な輸送需要の低下を背景に収益見通しを下方修正し、景気後退懸念を強めた経緯がある。
ナイキは供給網のひっ迫による商品納入の遅延を要因に、在庫が積み上がり、値引き販売を強いられる形で粗利益率の悪化が懸念されている。
これら企業の決算は相当程度警戒されているとはいえ、内容が悪ければ、来年の景気後退を織り込む動きが売りを促し、そこにCTAの売りが加わることで下落が加速する展開も想定され、注意したい。


 昼頃には日銀金融政策決定会合の結果公表がある。
緩和政策の現状維持はほぼ確実だろうが、来年4月からの総裁交代を前に、政策変更に対する思惑は根強い。
黒田東彦総裁の記者会見で発言のニュアンスに微妙な変化があるかなども注目されよう。
日本株の米国株に対する相対パフォーマンスは為替動向と連動性が高いため、これら結果を受けた後の為替も注視する必要があろう。
ドル円はちょうど25日線と200日線の間に挟まれたレンジ推移となっており、イベント後に25日線を上放れる、もしくは200日線を下放れた場合には、トレンドが出る可能性もありそうだ。

(仲村幸浩)

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます