[ワシントン 20日 ロイター] - 米消費者金融保護局(CFPB)は20日、自動車ローンや住宅ローン預金に関する顧客への不正行為を巡り、金融大手ウェルズ・ファーゴに37億ドルの制裁金を課すと発表した。CFPBが課す民事制裁金としては過去最大規模となる。
制裁金のうち、17億ドルが罰金。残りの20億ドルは、不当な行為の影響を受けた1600万人超の顧客の口座の保障に充てられる。
CFPBは、自動車ローンや住宅ローンでの手数料の不正請求や担保の自動車の不当差し押さえなど、幅広い分野で不正慣行があったと指摘。チョプラCFPB局長はウェルズ・ファーゴを法律違反の「常習犯」で、「米国の3分の1の家庭を危険にさらしている」と批判した。
ウェルズ・ファーゴのチャーリー・シャーフ最高経営責任者(CEO)は声明で、2020年以降、「是正措置と修復を加速させてきた」と強調。「今回の包括的な合意は、当社の業務慣行を変革し、こうした問題を過去のものとするための重要な節目となる」とし、2016年から続く一連の不祥事に終止符を打ちたい考えを示した。
16年9月には、顧客に無断で口座開設したり、クレジットカードを発行するなどの不正営業が明るみに出た。
今回の制裁金を含めた費用約35億ドルは第4・四半期決算に計上する。同決算は来年1月13日に発表される。
ウェルズ・ファーゴの株価は午後の取引で約1.7%下落した。