[東京 27日 ロイター] - 日経平均 .N225 前場終値 20425.15 -12.33 寄り付き 20380.64 安値/高値 20363.21─20456.68
東証出来高(万株) 124177 東証売買代金(億円) 13498.77
前場の東京株式市場で日経平均は9日ぶりに反落した。ドル/円が123円台前半まで円 安が進行したことを受け、自動車・電機株の一角は堅調に推移したものの、直近の日本株 をけん引してきた内需株は利益確定売りが優勢となった。短期的な過熱感が意識されなが らも、指数は一時プラスに転じる場面もあり、底堅い動きをみせた。
前日の米国株式市場では主要株価3指数がそろって1%超の下落。利上げの前倒し観 測が重しとなったほか、急ピッチなドル高も懸念された。軟調な外部環境を受け朝方の東 京市場では売りが先行し、日経平均は一時74円安まで売られた。原油相場の下落を受け 石油関連株がさえない動きとなったほか、業種別では情報通信 .ICOMS.T 、陸運業<.IRAI L.T>など内需株の下げが目立った。
一方、円安の進行を受け富士重工業 7270.T が一時5%超の上昇。村田製作所<6981. T>も一時4%超高となり15年ぶりに2万円台を回復するなど、自動車・電機株の一角が 堅調に推移した。ファナック 6954.T の上昇も指数の下支えとなり、日経平均は前場中盤 に一時上げ転換。「欧米株の下落で日本株への調整圧力は強いが、円安の進行がセクター ローテーションのきっかけとなった。相対的に強い相場が続いている」(丸三証券・経済 調査部長の安達誠司氏)との声が聞かれた。
その後、日経平均は節目の2万0500円を手前に伸び悩み、マイナス圏で午前の取 引を終えたものの、前日比0.06%安と下げは限定的。「前日までに8連騰と過熱感が 意識されながらも、改めて日本株の底堅さを示す形となった」(中堅証券)との見方も出 ている。
個別銘柄では ユーシン 6985.T が年初来高値を更新。同社は26日に自己株消却を 発表した。発行済株式総数の19.55%に相当する640万株を6月22日に消却する 。再放出などによる潜在的な需給懸念が後退し、関心が向かった。
半面、東京TYフィナンシャルグループ 7173.T は反落して前引けとなった。新銀行 東京との経営統合方針をめぐる報道を材料視し、取引時間中の年初来高値を更新したもの の、高値警戒感から利益確定売りに押される形となった。
東証1部の騰落数は、値上がり815銘柄に対し、値下がりが908銘柄、変わらず が157銘柄だった。
(長田善行)