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日経平均は大幅続伸、テクニカル好転も慎重維持も求められる

発行済 2023-01-24 12:15
更新済 2023-01-24 12:30
© Reuters.
 日経平均は大幅続伸。
433.57円高の27339.61円(出来高概算5億4614万株)で前場の取引を終えている。


 23日の米株式市場でダウ平均は254.07ドル高(+0.76%)と続伸。
企業決算の本格化を前にした警戒感からダウ平均は寄り付き後に一時下落する場面があった。
しかし、中国経済再開に伴う世界景気の持ち直しに加え、インフレや米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースのピークアウトに対する期待が根強い中、早々に切り返すと終日堅調に推移。
米長期金利の安定を背景にハイテクの買い戻しが活発化し、ナスダック総合指数は+2.01%と続伸。
米株高を引き継いで日経平均は244.39円高の27150.43円と節目を回復してスタート。
1ドル=130円台に戻した円安も追い風に景気敏感株やハイテクを中心に買いが先行し、その後も緩やかながら上値を伸ばす展開となった。


 個別では、レーティング格上げなどの動きを背景に米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5%超上昇したことを追い風に東エレク (TYO:8035)、アドバンテスト (TYO:6857)、スクリン (TYO:7735)の関連株が軒並み急伸。
ソフトバンクG (TYO:9984)、日本電産 (TYO:6594)、SMC
(TYO:6273)、ダイフク (TYO:6383)、イビデン (TYO:4062)、村田製 (TYO:6981)などハイテクも総じて高い。
また、中国経済の再開を好感した動きが続き、日本製鉄 (TYO:5401)、JFE (TYO:5411)の鉄鋼、INPEX (TYO:1605)、ENEOS (TYO:5020)の鉱業、三井物産 (TYO:8031)、三菱商事 (TYO:8058)の商社、コマツ (TYO:6301)、ナブテスコ (TYO:6268)、日ペHD (TYO:4612)なども大きく上昇。
X線ミラーの大型受注を発表したジェイテックコーポレーション (TYO:3446)、国内証券のカバレッジ開始が好感されたネットプロHD (TYO:7383)などが急伸。
ホンダ (TYO:7267)とEV向けリチウムイオン電池の協業を発表したGSユアサ (TYO:6674)も大幅高。


 一方、エーザイ (TYO:4523)、武田薬 (TYO:4502)、オリンパス (TYO:7733)のほか、レノバ (TYO:9519)、スクエニHD (TYO:9684)、JR西 (TYO:9021)などディフェンシブ系に近いところの一角が軟調。
月次動向が嫌気された西松屋チェ (TYO:7545)、しまむら (TYO:8227)、業績予想を下方修正した亀田製菓 (TYO:2220)などは大きく下落。


 セクターでは、機械、電気機器、金属製品を筆頭に全面高となった。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の81%、対して値下がり銘柄は16%となっている。


 日経平均は半導体を中心とした米ハイテク株高と為替の円安進行という良好な外部環境に支えられ、大幅に続伸。
マド空けを伴った上昇により、一気に上値抵抗線として集中する75日、200日の移動平均線を上抜いてきている。
週足でも13週、52週線を超え、26週線も視野に捉える展開となっている。
一方、日足一目均衡表では厚い雲に突入したばかりの形で、そろそろ戻り一服も意識されやすい頃合いか。


 実際、前日の米SOX指数の急伸の背景にはアナリストの投資判断引き上げという支援材料があったほか、日本株については、先週の日本銀行の金融政策決定会合を無難に消化したばかりという短期的な安心感、さらには足元の円安進行に助けられているところが大きそうだ。


 しかし、今週から日米の主力企業の10−12月期決算の発表が本格化していく中、ここからの一段の上値追いには慎重にならざるを得ない。
今晩は米国でGAFAMの一角であるマイクロソフトのほか、ゼネラル・エレクトリック、スリーエム、テキサス・インスツルメンツななどの注目決算が予定されている。


 マイクロソフトの10−12月期売上高は前年同期比で2%の増加と、四半期ベースとしては2017年度以来の低い伸びにとどまると予想されている。
足元では米IT企業の大規模な雇用削減の動きが相次いでおり、急速に景況感が悪化している中、対照的な株式市場のリバウンドの強まりはやや違和感もある。


 これまでの一連の米インフレ指標の大幅鈍化に加えて、先週末にかけては、米フィラデルフィア連銀・ハーカー総裁やウォラーFRB理事などが、米ボストン連銀・コリンズ総裁や米アトランタ連銀・ボスティック総裁などに続き、次回会合での0.25ポイントへの利上げ幅縮小を支持した。
もちろん、こうした米国でのインフレ&金利のピークアウト期待の高まり、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での不透明感後退も株高の背景にはあるのだろう。


 しかし、決算本格化と実際のFOMCの開催を前にしたこれまでのリバウンドにより、株式市場は楽観シナリオの多くの部分をすでに織り込んでしまったともいえる。
今晩以降の決算シーズンの本格化と2月1日に結果公表を控えるFOMC後も、今の勢いを維持できるかについては慎重になった方がよいだろう。

(仲村幸浩)

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