[ベルリン 25日 ロイター] - ドイツ政府は25日公表した年次経済報告書で今年の景気見通しを上方修正し、リセッション(景気後退)を辛うじて回避するとの見方を示した。
2023年の実質国内総生産(GDP)は0.2%増と見込み、昨秋の予測(0.4%減)から引き上げた。
ロシアのウクライナ侵攻を受けた当初の衝撃によるエネルギー高騰が和らぐ中、インフレ率予測は6%とし、従来の7%から下方修正した。
ハーベック経済相は報告書で「不可避との見方が多かった著しいリセッションの兆しはない」と述べた。
エネルギー危機や中央銀行の利上げを背景に独政府は今年について慎重な姿勢だが、ハーベック氏は、ウクライナ侵攻によって引き起こされた危機は管理可能になっていると指摘。「ドイツは底堅さを示し、経済面で非常にうまく対処した」との見方を示した。
また、ガス供給が不足した場合は記録的な景気低迷に陥るという当初の非常に悲観的なシナリオは回避されたとし「エネルギー供給は引き続き確実で安定している」と述べた。
23年の失業率は5.4%と22年の5.3%から小幅な上昇を見込んだ。ハーベック氏は「企業も信頼感を取り戻しつつある」とした。
見通しが改善する一方で逆風もあり、今年の輸出の伸びは2.2%と、昨年の3.2%から鈍化すると予想されている。