[26日 ロイター] - 米クレジットカード大手・ビザが26日発表した第1・四半期(2022年12月31日まで)決算は、景気減速にもかかわらず個人消費が堅調だったことで利益が予想を上回った。
収入は12%増の79億ドル。伸び率は過去7四半期で最も低い水準だった。
一時項目を除く1株当たり利益は2.18ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想平均の2.01ドルを上回った。
決算発表を受け、引け後の取引で株価は1.4%上昇した。
国境をまたぐ取引(クロスボーダー決済額)は、為替変動の影響を除いたベースで22%増加した。決済総額も7%増加した。
ただ、クロスボーダー決済額の伸び率は前年同期の40%を下回り、決済額の伸び率も20%に届かなかった。
バサント・プラブ最高財務責任者(CFO)は「前年比の伸び率は新型コロナウイルス禍からの力強い回復が終わると緩やかになる」と説明した。
さらに、ロシア市場からの撤退は第2・四半期の決済額に影響するとの見方を示した。
同業のマスターカードもこの日、旅行需要の減速が見込まれるとして今四半期の収入の伸びが予想を下回ると見通した。
バンクレイトのアナリスト、テッド・ロスマン氏は「個人消費は持ちこたえているが、高インフレと金利上昇の影響により、逆風が強まっている」と分析。
22年はコロナ禍後の旅行需要の増加でカード利用が増えたが、23年の旅行需要の状況は厳しくなるかもしれないと指摘した。
ビザは昨年10月、米国人の海外旅行は増えているものの、ドル高は海外からの旅行者に大きく依存する米国の旅行業界にはプラスにならないと予想していた。