[チューリヒ 6日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は6日、2022年に過去最大となる1325億スイスフラン(1415億4000万ドル)の損失を計上したと発表した。株・債券市場下落を受けた保有資産の価値下落やフラン高が響いた。
21年は260億フランの利益を計上していた。損失は1907年の設立以来2度目。配当や政府への納付は見送りになる。
損失は、保有外貨での1315億フランの損失が主な要因。また保有する債券の価値が720億フラン、株式の価値は410億フランそれぞれ減少した。
この損失で、中銀の分配準備金1025億フランが払底。引当金を考慮した純損失は395億フラン。
中銀は3月23日に金融政策を発表する。巨額損失が今後の金融政策にどのような影響を与えるかについてはコメントを差し控えた。
アナリストは、中銀の自己資本は660億フランあり、政策運営に影響は出ないと考える。
UBSのエコノミストは、長期的に資本不足に陥らない限り金融政策への影響はないとし、22年に損失を出したがそのような事態は考えにくいとの見方を示した。