(香港市場のリポート追加します。) [上海 15日 ロイター] - 上海総合指数 .SSEC 前営業日比 売買代金概算 大引け 5062.9929 103.3571安 10637.2億元(上海A株) 高値 5176.7945 安値 5048.7419 前場終値 5086.7952 79.5548安 6489.7億元(上海A株) 寄り付き 5174.4182 8.0682高 前営業日終値 5166.3500 44.7575高 10584.0億元(上海A株)
ハンセン指数 .HSI 大引け 26861.81 418.73安 1165.1億香港ドル 高値 27131.36 安値 26841.52 前場終値 26909.20 371.34安 666.9億香港ドル 寄り付き 27095.18 185.36安 前営業日終値 27280.54 372.69高 1315.3億香港ドル
中国株式市場は急反落して取引を終えた。12日に公表された信用取引の規制強化や 今週多くの新規株式公開(IPO)を控えていることなどを嫌気した。 上海総合指数 .SSEC の終値は103.3571ポイント(2.00%)安の506 2.9929。 大型株中心で深セン上場銘柄を含む滬深300指数 .CSI300 は113.949ポイン ト(2.14%)安の5221.167。
中国証券監督管理委員会(CSRC)は12日、株式市場のリスク抑制に向け、急速 に拡大する信用取引と空売りの規模に初めて制限を設ける草案を公表した。草案では、証 券会社の資本(ネット)の4倍に規制する。さらに、不法な経路による顧客への貸し出し を認めないよう証券会社に要請した。 規制強化によって、今週予定される25社のIPOですでに流動性不足が懸念されて いる市場に、新たなストレスが加わった格好だ。新華社によれば、IPOにより、5兆7 000億元が凍結される見通し。 さらに投資家の懸念が増しているのはIPOの規模だ。江蘇銀行は上海市場への公募 で400億元を調達するとみられており、その額は今週の国泰君安証券の調達予定額の3 00億元超を上回る。 また、6月10までの1週間でA株ETF(上場投資信託) 510300.SS から51億 ドルの資金が引き揚げられた。これは新興国株式ファンドからの資金流出額の半分以上を 占める。 もう一つの懸念材料は、中国上場企業の幹部が自社株売却のペースを加速している兆 しがあることだ。自社の株価がこれ以上上昇するのか疑念を抱き始めたことを示唆してい る。
IT株 .CSI300IT が下げを主導。深セン証券取引所の新興企業向け市場の創業板( チャイネクスト)指数<.CHINEXTC>は4%超下げた。 一方、鉄鋼メーカーは上昇。市場では、政府が統合を通して生産能力を削減する鉄鋼 業界再編計画を近く公表するとの観測が出ていた。 中国鉄鋼グループ大手の河北鋼鉄集団 000709.SZ は5.2%高。宝山鋼鉄 <600019 .SS>は1.4%高。新疆八一鋼鉄 000709.SZ は8.9%の大幅高となった。
香港株式市場も急反落して取引を終えた。中国はじめ欧米株式市場の軟調な流れを引 き継いだ。また、政治的に重要な選挙制度改革を問う採決を今週に控えていることも嫌気 された。 ハンセン指数 .HSI 終値は418.73ポイント(1.53%)安の26861.8 1。 ハンセン中国企業株指数(H株指数) .HSCE は361.24ポイント(2.58%) 安の13622.76。
香港株は、IPOや信用取引規制強化を嫌気し2%超下落した中国市場に連れ安とな った。 次期行政長官選挙に向けた選挙制度改革法案の採決を控え、投資家のリスク選好意欲 も抑制された。昨年香港を混乱に陥れた民主派の大規模デモの記憶もまだ新しいためだ。 週末に実施された世論調査では、法案に反対する民主派グループがデモ活動を繰り広 げるなか、法案反対が勢いを増している。
幅広いセクターが売られた。 イタリアの高級ブランド、プラダ 1913.HK は6%下落し、3年ぶり安値をつけた。 中国の売上高低迷を背景に、四半期決算が44%の減益となったことが嫌気されている。 ペトロチャイナ 0857.HK は1.1%安。同社の前副会長のLiao Yongyuan氏が収賄 を含む複数の罪で中国共産党の党籍をはく奪され、起訴されている。 中国の複合企業大手で香港上場の復星国際 0656.HK は0.7%高で相場全体の下支 えとなった。英旅行代理店大手のトーマス・クック TCG.L はこの日、復星国際と合弁事 業の立ち上げに合意したことを明らかにした。トーマス・クックブランドでの香港発着の 中国市場向け旅行ツアーを展開する計画が好感された。