*12:14JST 日経平均は小幅続伸、上昇一服感が台頭か
日経平均は小幅続伸。
25.59円高の30833.94円(出来高概算5億4725万株)で前場の取引を終えている。
前週末19日の米国株式市場のダウ平均は109.28ドル安(-0.33%)と反落。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げに慎重な考えを示し、6月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退した。
ただ、債務上限の交渉が中断されたことが報じられると先行き警戒感が再燃し売りに転じた。
さらに、一部報道を受けて地銀経営不安の再燃も重しになった。
ナスダック総合指数も反落、主要株価指数がそろって下落した米株市場を横目に、22日の日経平均は前週末比72.64円安の30735.71円と反落でスタート。
その後はプラス圏に浮上してもみ合い展開となっている。
個別では、レーザーテック (TYO:6920)やアドバンテ (TYO:6857)などの半導体関連株の一角、三菱商事 (TYO:8058)や三菱UFJ (TYO:8306)、JT (TYO:2914)、任天堂 (TYO:7974)、NTT (TYO:9432)、三菱重工業<
7011>などが堅調に推移。
また、相対的な好決算に加えて株主還元策もポジティブ視された東京海上 (TYO:8766)、同じく決算発表を行ったMS&AD (TYO:8725)などの保険株のほか、オリエンタルランド (TYO:4661)、ホンダ (TYO:7267)なども上昇。
そのほか、「情報プラットフォーム」の利用料金を改定すると先週末に発表したマークラインズ (TYO:3901)が急騰、フォーラムエンジニアリング (TYO:7088)、野村マイクロ (TYO:6254)などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、ルネサス (TYO:6723)、ソニーG (TYO:6758)、ファーストリテ (TYO:9983)、トヨタ自 (TYO:7203)などが軟調に推移、リクルートHD (TYO:6098)やKDDI (TYO:9433)、日立 (TYO:6501)なども下落した。
そのほか、直近の上昇に対する利食い売りが優勢となったアーレスティ (TYO:5852)、前週末から売り優勢の展開が続いているダイコク電機 (TYO:6430)が大幅に下落、東洋証券 (TYO:8614)、メドピア (TYO:6095)、サニックス (TYO:4651)などが東証プライム市場の値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは保険業、空運業、陸運業が上昇率上位となった一方、繊維製品、精密機器、金属製品が下落率上位となった。
東証プライムの値上がり銘柄は全体の57%、対して値下がり銘柄は39%となっている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の30855円。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、本日の日経平均はやや売りが先行した。
先週の日経平均は連日のギャップアップからの上昇でバブル後の高値を更新したこともあり、急ピッチの上昇に対する利益確定の動きが入りやすく、朝方の下げは想定内といったところ。
ただ、その後は買い戻しも優勢でプラス圏に浮上した。
一方、新興市場はもみ合い展開が続いている。
マザーズ指数は下落スタート後、朝方にプラス圏に浮上。
その後は前週末終値付近でのもみ合い展開となっている。
一方、グロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落スタート後、下げ幅を縮小するもマイナス圏での推移が続いている。
連邦政府の債務上限問題を巡る交渉が一時停止されたと伝わったことが国内の投資家心理にもネガティブに働いているか。
前引け時点での東証マザーズ指数は0.17%高、東証グロース市場Core指数は0.53%安。
さて、5月のFOMCではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが0.25ポイント引き上げられて5-5.25%となり、利上げ停止の可能性が示唆された。
前週は、ボウマン理事やクリーブランド連銀のメスター総裁などは利上げ継続すべきとの見解を示している一方で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は19日に6月は利上げ休止に傾いていると発言。
銀行の貸し渋りなど信用収縮がもたらす金融引き締め効果を指摘したようだ。
次回の6月FOMCは6月13-14日に開かれる。
CMEのFedウォッチツールでは、利上げ確率は9.2%で利上げ停止確率は90%に及んでいる。
一方、米連邦政府の債務上限問題については、マッカーシー下院議長が21日にバイデン大統領と電話で協議し、話し合いは「建設的だった」と連邦議会議事堂で記者団に話したようだ。
ただ、議長は記者団への発言で、まだ合意に達していないことを強調しており、本日22日に再び会談して話し合いを続けるという。
6月1日にも米国がデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがあると警戒されているなか、引き続き米債務上限問題の動向に注目が集まろう。
そのほか、バブル崩壊後の高値を更新した日経平均株価だが、背景としては東証によるPBR改善要請や米著名投資家バフェット氏の追加投資表明、新日銀体制下での追加緩和継続などが挙げられている。
また、投資主体別売買動向を見てみると、海外投資家は4月から6週連続で日本株を買い越している。
推移を確認すると海外投資家が3月2週目から売り越し幅が縮小して4月2週目にかけて大きく買い越しに転じている一方で、信託銀行は6週連続で売り越している。
日本株市場のメインプレーヤーである海外投資家の動向は今後も注目していく必要がある。
また、日本企業に対してアクティビスト(物言う株主)ファンドの動きが活発化しているようだ。
アイ・アールジャパンホールディングスの資料によると、5月11日時点でアクティビストによる株主提案の提出件数は43件と前年同時点の27件を大きく上回っており、過去最多となった2022年の58件に迫る勢いだという。
日本株がバブル崩壊後の戻り高値を更新するなか、こういった情報も頭の片隅に置いておきたい。
さて、米国の外部環境は不透明感を払しょくしきれていないが、株価が上下どちらにむかってもいいように引き続き今後のシナリオを考えていきたい。
月曜日の当欄を担当する筆者は引き続き今後の下落シナリオを想定して相場を見守っているが、理由や要因などは過去の当欄をご覧いただきたい。
後場の日経平均は、こう着感の強い展開が続くか。
引き続き東証プライム市場を中心に物色が継続するか注目しておきたい。
(山本泰三)
25.59円高の30833.94円(出来高概算5億4725万株)で前場の取引を終えている。
前週末19日の米国株式市場のダウ平均は109.28ドル安(-0.33%)と反落。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げに慎重な考えを示し、6月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退した。
ただ、債務上限の交渉が中断されたことが報じられると先行き警戒感が再燃し売りに転じた。
さらに、一部報道を受けて地銀経営不安の再燃も重しになった。
ナスダック総合指数も反落、主要株価指数がそろって下落した米株市場を横目に、22日の日経平均は前週末比72.64円安の30735.71円と反落でスタート。
その後はプラス圏に浮上してもみ合い展開となっている。
個別では、レーザーテック (TYO:6920)やアドバンテ (TYO:6857)などの半導体関連株の一角、三菱商事 (TYO:8058)や三菱UFJ (TYO:8306)、JT (TYO:2914)、任天堂 (TYO:7974)、NTT (TYO:9432)、三菱重工業<
7011>などが堅調に推移。
また、相対的な好決算に加えて株主還元策もポジティブ視された東京海上 (TYO:8766)、同じく決算発表を行ったMS&AD (TYO:8725)などの保険株のほか、オリエンタルランド (TYO:4661)、ホンダ (TYO:7267)なども上昇。
そのほか、「情報プラットフォーム」の利用料金を改定すると先週末に発表したマークラインズ (TYO:3901)が急騰、フォーラムエンジニアリング (TYO:7088)、野村マイクロ (TYO:6254)などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
一方、ルネサス (TYO:6723)、ソニーG (TYO:6758)、ファーストリテ (TYO:9983)、トヨタ自 (TYO:7203)などが軟調に推移、リクルートHD (TYO:6098)やKDDI (TYO:9433)、日立 (TYO:6501)なども下落した。
そのほか、直近の上昇に対する利食い売りが優勢となったアーレスティ (TYO:5852)、前週末から売り優勢の展開が続いているダイコク電機 (TYO:6430)が大幅に下落、東洋証券 (TYO:8614)、メドピア (TYO:6095)、サニックス (TYO:4651)などが東証プライム市場の値下がり率上位に顔を出した。
セクターでは保険業、空運業、陸運業が上昇率上位となった一方、繊維製品、精密機器、金属製品が下落率上位となった。
東証プライムの値上がり銘柄は全体の57%、対して値下がり銘柄は39%となっている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の30855円。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、本日の日経平均はやや売りが先行した。
先週の日経平均は連日のギャップアップからの上昇でバブル後の高値を更新したこともあり、急ピッチの上昇に対する利益確定の動きが入りやすく、朝方の下げは想定内といったところ。
ただ、その後は買い戻しも優勢でプラス圏に浮上した。
一方、新興市場はもみ合い展開が続いている。
マザーズ指数は下落スタート後、朝方にプラス圏に浮上。
その後は前週末終値付近でのもみ合い展開となっている。
一方、グロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落スタート後、下げ幅を縮小するもマイナス圏での推移が続いている。
連邦政府の債務上限問題を巡る交渉が一時停止されたと伝わったことが国内の投資家心理にもネガティブに働いているか。
前引け時点での東証マザーズ指数は0.17%高、東証グロース市場Core指数は0.53%安。
さて、5月のFOMCではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが0.25ポイント引き上げられて5-5.25%となり、利上げ停止の可能性が示唆された。
前週は、ボウマン理事やクリーブランド連銀のメスター総裁などは利上げ継続すべきとの見解を示している一方で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は19日に6月は利上げ休止に傾いていると発言。
銀行の貸し渋りなど信用収縮がもたらす金融引き締め効果を指摘したようだ。
次回の6月FOMCは6月13-14日に開かれる。
CMEのFedウォッチツールでは、利上げ確率は9.2%で利上げ停止確率は90%に及んでいる。
一方、米連邦政府の債務上限問題については、マッカーシー下院議長が21日にバイデン大統領と電話で協議し、話し合いは「建設的だった」と連邦議会議事堂で記者団に話したようだ。
ただ、議長は記者団への発言で、まだ合意に達していないことを強調しており、本日22日に再び会談して話し合いを続けるという。
6月1日にも米国がデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがあると警戒されているなか、引き続き米債務上限問題の動向に注目が集まろう。
そのほか、バブル崩壊後の高値を更新した日経平均株価だが、背景としては東証によるPBR改善要請や米著名投資家バフェット氏の追加投資表明、新日銀体制下での追加緩和継続などが挙げられている。
また、投資主体別売買動向を見てみると、海外投資家は4月から6週連続で日本株を買い越している。
推移を確認すると海外投資家が3月2週目から売り越し幅が縮小して4月2週目にかけて大きく買い越しに転じている一方で、信託銀行は6週連続で売り越している。
日本株市場のメインプレーヤーである海外投資家の動向は今後も注目していく必要がある。
また、日本企業に対してアクティビスト(物言う株主)ファンドの動きが活発化しているようだ。
アイ・アールジャパンホールディングスの資料によると、5月11日時点でアクティビストによる株主提案の提出件数は43件と前年同時点の27件を大きく上回っており、過去最多となった2022年の58件に迫る勢いだという。
日本株がバブル崩壊後の戻り高値を更新するなか、こういった情報も頭の片隅に置いておきたい。
さて、米国の外部環境は不透明感を払しょくしきれていないが、株価が上下どちらにむかってもいいように引き続き今後のシナリオを考えていきたい。
月曜日の当欄を担当する筆者は引き続き今後の下落シナリオを想定して相場を見守っているが、理由や要因などは過去の当欄をご覧いただきたい。
後場の日経平均は、こう着感の強い展開が続くか。
引き続き東証プライム市場を中心に物色が継続するか注目しておきたい。
(山本泰三)