[５日 ロイター] - 米モルガン・スタンレーは５日、欧州株は夏場に１０％下落する可能性があるとの見方を示し、経済成長の鈍化と流動性の悪化が収益を圧迫していることを理由に挙げた。
景気敏感株よりもディフェンシブ銘柄が好まれており、金融株の投資判断を「中立」に引き下げる一方で医薬品株を「オーバーウエート」に１段階格上げした。
２０２３年の欧州企業の業績は他の地域よりも持ちこたえているとして、今年の利益予想を従来の１０％減から６％減に上方修正した。
同社のリード株式アナリスト、グレアム・セッカー氏は「利益率の低下と経済成長の鈍化により、引き下げ局面が２０２３年下半期に始まると予想している」と述べた。
しかしこの引き下げ局面は予想よりも遅く始まっているとして、２４年に反動が来ても限定的なものになると予想した。
今年の欧州の「優れた」企業実績をけん引してきたのは金融業だとしながらも、さらに伸びる余地は限られるとの見方を示した。
モルガン・スタンレーは米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が積極的な利上げを始めて１年以上が過ぎ、金融政策による企業業績への逆風が近づいている可能性が高いと指摘。信用状況の引き締まりによる影響は表れるまでに時間がかかるとした。