40%引きでご購読
新規!💥 ProPicksを手に入れ、S&P 500を1,183%を超える投資成績を実現した、戦略をご覧ください40%割引で開始

依然として先高観強い日本株

発行済 2023-06-06 12:23
更新済 2023-06-06 12:30
© Reuters.

© Reuters.

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;32350.58;+133.15TOPIX;2224.07;+4.28


[後場の投資戦略]

 日経平均は32000円割れからスタートも、急速に切り返してプラス圏に浮上し、4日続伸となっている。
日経225先物は6日の夜間取引において一時32570円まで上昇。
その後、米5月ISM非製造業景気指数が予想外に前月から悪化したことに伴う景気減速懸念や為替の円高により、32060円まで500円超も失速する場面があった。


 急ピッチでの上昇の反動が出やすいなか、材料の少ない今週において最も注目されていた経済指標が悪化したことで、分かりやすく米株安・円高に売りで反応したに過ぎないともいえるが、上方向ならまだしも、短時間で500円超も下方向へ大きく動いたケースはここ最近ではほとんど見られていなかったため、基調の転換を感じさせた。


 そのうえ、本日は日経平均が32000円も割り込んでスタートしたことで、そうした見方が裏付けられたかとも思った。
しかし、完全にこれは杞憂に終わった。
上述した通り、日経平均はその後急速に切り返し、プラス圏に浮上している。


 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 (TYO:1357)の大幅な買い長の状況、および日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 (TYO:1570)の大幅な売り長の状況が続くなか、売り方の買い戻しが下値を支えたとみられている。
ただ、それだけではなく、依然としてこれまでの上昇相場のけん引役である海外勢の買い意欲が旺盛であることも挙げられるだろう。
やはり、少なくとも今週末の株価指数先物・オプション取引6月限の特別清算指数算出(メジャーSQ)を通過するまでは上方向を見ておいた方がよさそうだ。


 一方、中長期的には懸念材料がくすぶる。
前日に発表された米5月ISM非製造業景気指数は50.3と4月(51.9)から低下し、改善するとの市場予想(52.4)に反して低下した。
景況感の拡大・縮小の境界値である50割れ目前までの低下であるほか、特に新規受注が52.9と前回(56.1)からの低下幅が大きかったこともあり、景気減速懸念が再燃した。


 ただ、直近の米サービス業購買担当者景気指数(PMI)とは動きが乖離しているほか、先週末に発表された米5月雇用統計でも力強い雇用者数の伸びが確認されていることから、景気後退懸念で株式市場が大きく下落するほどの内容とまでは判断できない。
また、構成項目の仕入価格が56.2と前回(59.6)から大幅に低下し、新型コロナ流行前の水準に近づいてきた点はインフレ鎮静化、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止を示唆する点で株式市場にはポジティブな内容だった。


 一方、米当局が金融システム強化に向け策定中の新規制案で、米大手銀行は平均で20%の資本要件引き上げを課される見込みと報道されており、これはマイナス材料だろう。
新規制は資産1000億ドル(約14兆円)以上の銀行が対象になるもよう。
米当局が現在最も厳格な規制の対象としているのは資産2500億ドル以上の銀行であるため、新規制ではこの基準が大幅に引き下げられることになる。
米地銀の数十行も対象となり得るとのことで、貸し出し抑制が一段と強まる恐れがある。
まだ確定事項でないうえ、実体経済に影響が出るまでには時間がかかる話であるため、現時点では株式市場への影響は限られると思われるが、懸念材料であることに違いない。


 また、これまで相場のけん引役だったハイテク株に上昇一服感が見られている。
前日、米アップルは新製品として複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」を発表した。
株価は期待感から一時上場来高値を更新していたが、発表後は出尽くし感から下落に転じた。
時価総額が大きく、市場への影響力が大きい同社株が上場来高値更新による達成感やイベント通過による材料出尽くし感からこのまま調整局面入りになるようだと、米株式市場の上値が重くなろう。


 ほか、140円台の定着に度々失敗しているドル円の動向も気がかりだ。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、5月30日時点での投機筋による円ポジションは9万6193枚の売り越し。
5月中旬から売り越し幅を急速に拡大させてきており、今年に入ってからの最大の売り越し幅となっている。
ただ直近の3年間の動向を振り返ると、おおよそ10万枚の売り越し水準をボトムにその後は買い戻しに転じる傾向が見られる。
米景気指標の下振れや財務相・日銀ら当局による円安けん制などを背景にドル円の先高観が薄れるなか、今後はじわりと進みそうな円高にも注意したい。

(仲村幸浩)

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます