[台北 14日 ロイター] - 電子機器の受託生産世界最大手である台湾の鴻海精密工業が14日発表した第3・四半期決算は、市場の減益予想に反して11%増益となった。非営業収益が寄与した。ただ通期は小幅な減収との予想を維持した。
第3・四半期の純利益は431億台湾ドル(13億米ドル)と、前年同期の388億台湾ドルから増加。LSEGスマートエスティメートによる市場予想は345億台湾ドルだった。
子会社への投資収入や為替差益などが4倍になったという。
劉揚偉(ヤング・リウ)董事長は決算会見で、2024年の見通しは「比較的保守的で中立」とし、市場が5%成長するとの予測が「地政学要因で簡単に帳消しになる可能性がある」と指摘した。
年末商戦がある第4・四半期について、売上高の減少を見込むものの、従来予想ほどひどくはならないと説明。「下半期は例年の販売好調期に入った。業績は四半期ごとに徐々に改善していくだろう」と述べた。
スマートフォンを含むスマート・コンシューマー・エレクトロニクス部門も第4・四半期が小幅な減収になると見込んだ。同部門は全体の売上高の約半分を占める。
電気自動車(EV)事業については、競争の激化や人件費の上昇といった逆風を受けて自動車各社が外注を増やすと考えられ、鴻海にはプラスに働く可能性があると述べた。
24年の設備投資は今年並みの900億台湾ドル超を予想。大半は中国での事業拡大に充てる予定という。
中国では当局の税務調査を受けているが、劉氏は中国事業は通常稼働で、調査の結果は出ていないと述べた。