日本銀行は来週に控えている金融政策決定会合で、金融政策を現行で据え置くと見られている。
しかし、他の中央銀行と同様に、最近の中国や新興国の金融、経済の混乱による海外需要の減少で、日本経済の下方リスクが上昇したことを明らかにする可能性がある。
加えて、円が下げ止まったことも下方リスクにつながる可能性もある。
来週の会合では、リスク警戒感を受けた円の先高感を払拭し、景気見通しの悪化に対処するため秋ごろの追加緩和を黒田総裁が言及するかどうかに焦点が集まる。
ブルームバーグニュースによると、自民党の山本幸三衆院議員は10日のインタビューで、2016年度前半ごろの2%の物価目標達成は「至上命題」で、日銀は「必要な措置を考えるべきだ」と主張。
日本銀行の金融政策に関し、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を策定する10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだとの認識を示した。
展望リポートは下方修正される公算で、措置をとる「好機」との見方。
具体策として、現在は「年間80兆円」のペースで行っている長期国債などの資産買い入れを最低10兆円規模で拡大することが必要と指摘している。
シカゴ先物市場の9月1日付けの投機・投資家筋の最新のポジションで、円の売り持ち高は4月末以来で最小となった。
市場の円の売り持ち高が減少したことで、円の下落余地が広がった。
日本の追加緩和の思惑は新たな円安につながる可能性もある。
ドル・円相場は現在、重要な節目となる120円82銭をめぐる攻防となっている。
この水準をしっかりと上回ると、中期的な上昇局面に再び入ることになる。
しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げのタイミングに不透明感が強く、ドル買いの意欲も強まっており、当面この重要な節目をめぐる攻防が継続する可能性がある。