[日本インタビュ新聞社] - ■決算発表控え期待高まる
巴工業<6309>(東証プライム)は、前日3日に前場の4370円高値から後場の4295円安値まで上下動したが、大引けでは前週末比変わらずの4315円と持ち直した。同社株は、今年3月18日に上場来高値4805円まで買われ、利益確定売りも続いているが、今年6月12日に発表を予定している今2024年10月期第2四半期(2023年11月~2024年4月期、2Q)累計決算の発表を前に、今年3月14日に発表した今期第1四半期(2023年11月~2024年1月期、1Q)の3ケタ増益業績や今10月期通期純利益の13期ぶりの過去最高更新予想を手掛かりに割安修正期待の押し目買いが交錯した。ヒストリカル的にも、昨年6月の前期業績の上方修正やその後の四半期決算・本決算発表のたびに株価が、ストップ高するなど窓を開けて急伸しており、業績感応度の高さの再現も期待しフォローの材料視されている。
■1Q業績は機械製造販売・化学工業製品販売とも好調で3ケタ増益着地
同社の今期1Q業績は、売り上げ121億3800万円(前年同期比9.1%増)、営業利益11億2000万円(同2.00倍)、経常利益11億6300万円(2.11倍)、純利益8億700万円(同2.06倍)と大幅続伸して着地した。機械製造販売事業では、官需・民需とも好調に推移して売り上げが24億6700万円(同35.9%増)、営業利益が前年同期の3億100万円の損失から2億2400万円の黒字と大きく持ち直し、化学工業製品販売事業では、半導体製造用途向けの機能材料が18.9%増、自動車向けなどの鉱産関連が15.5%増、コーティング用途向けを中心に化成品が6.0%増と伸び、売り上げが96億7100万円(同3.9%増)、営業利益が8億9500万円(同4.1%増)となったことなどが寄与した。
今期通期業績は、期初予想通りに売り上げ518億円(前期比4.4%増)、営業利益41億8000万円(同3.3%増)、経常利益42億円(同2.1%増)、純利益29億8000万円(同7.2%増)と見込み、純利益は、2011年10月期の過去最高(29億1500万円)を13期ぶりに更新する。ただ1Q業績の3ケタ増益着地から6月12日発表予定の2Q累計業績を先取りして業績上ぶれ期待も底流している。前期も2Q累計決算発表直前に業績を上方修正し株価はストップ高した。なお今期配当は、配当政策を変更し、配当性向を40%以上とすることを目標としたことから年間120円(前期実績110円)へ連続増配を予定している。
■四半期決算発表のたびに窓を開けて急伸もPERはまだ14倍と割安
株価は、四半期決算や本決算発表のたびに窓を開けて急伸し、昨年12月の今期業績の続伸予想・増配・株主優待制度の拡充、さらに中期経営計画の目標業績の上方修正も加わってストップ高し、今期1Q業績の3ケタ増益業績でも窓を開けて上場来高値4805円まで買い進まれた。同高値後は全般相場の伸び悩みとともに4000円台下位で下値を確かめ再騰を窺ってきた。PER14.6倍と割安であり、最高値奪回から一段の上値チャレンジが有力となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)