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川辺 Research Memo(7):2026年3月期に売上高14,550百万円、経常利益300百万円を目標に掲げる

発行済 2024-08-07 13:27
更新済 2024-08-07 13:45
© Reuters.
*13:27JST 川辺 Research Memo(7):2026年3月期に売上高14,550百万円、経常利益300百万円を目標に掲げる ■成長戦略

1. 「中期経営計画2023 NEXT」
川辺 (TYO:8123)は2023年6月に「中期経営計画2023 NEXT」(2024年3月期~2026年3月期)を策定した。
同計画を「次の100年に向けた未来作りの一歩」と位置付け、3年後の目指すべき姿(スローガン)には「すべての中心は心。
心を動かす企業になる。
」を掲げた。
定量目標値は2026年3月期売上高14,550百万円、経常利益300百万円、配当性向40%以上としている。


基本方針としては、親会社の一広を含めた同社グループの強みである「川上の製造から川下の販売までカバーする垂直型のサプライチェーン」を生かし、新規販路の開拓、生産性向上やコスト削減による収益確保、ブランド力向上と顧客満足度向上、グループ全体で連携した「モノづくりと販売」による新たなオリジナルブランドの強化、人材育成、サステナビリティ事業への取り組みを強化するとしている。
また3ヶ年を3つのフェーズに分け、1年目は「再生フェーズ」として基本事業再生と人材育成、2年目は「展開フェーズ」としてオリジナル商品開発と新規販路開拓の強化、そして3年目は「結実フェーズ」として次の計画に向けた準備に取り組む方針としている。


なお同社は2022年4月に実施された東証の市場再編でスタンダード市場を選択したが、スタンダード市場上場維持基準を一部充たしていなかったため、2021年12月22日付でスタンダード市場上場維持基準適合に向けた計画書を作成・開示した。
そして2024年3月31日基準日時点で流通時価総額が基準を充たしていないため、2026年3月31日までを計画期間として、成長に向けた各種取り組みの着実な遂行によって業績の向上を図るとともに、株主還元策やIR活動も強化して持続的な企業価値の向上(時価総額の増大)を図り、上場維持基準の適合を目指す方針としている。


2. 重点戦略
重点戦略は以下の4つである。


1) 既存事業の再生と成長(売上と収益拡大)
ハンカチーフはインバウンド戦略、キャラクターやオリジナルブランドの強化、スカーフ・マフラーは自社ブランドの「NATURAL BASIC」や再生カシミヤの進化、海外進出、中国子会社の川辺(上海)商貿は中国市場での拡販や生産面のサポート拡大、日本メーカー商品販売代行の拡大、国内子会社のレインボーワールドはプリントハンカチーフ再生、アパレル部門売上拡大、OEM売上拡大、国内子会社のソルティーは「アディダス」「ひびのこづえ」の売上拡大、OEM売上拡大、川辺(上海)商貿との連携強化などを推進する。


2) グループ会社連携による製造と販売の拡大及びオリジナルの創造
レインボーワールドのプリント工場・MADE IN JAPANのプリント技術を活用したモノづくりにより、新規顧客創造と単価アップを推進して売上拡大を図る。


3) OMO強化(顧客接点と顧客満足度の向上)
シームレスな顧客とのコミュニケーションの実現によってLTV(Life Time Value)の最大化を図り、「客数up×客単価×購入回数up」により売上拡大を目指す。


4) フレグランスの強化
フレグランス事業については従来から収益性改善が課題となっているが、今後の戦略としてファッション、メゾン、コスメの各ブランドの役割やグルーピングごとの戦略を明確にして売上年平均15%成長を目指す。
ファッション領域ではブランド知名度による横展開と収益性向上、メゾン領域では認知度向上と固定ファン拡大、コスメ領域では新規市場開拓と売上規模拡大を推進する。


3. アナリストの視点
同社は身の回り品事業の業績回復だけでなく、コロナ禍以前から収益性改善が課題となっていたフレグランス事業も、新ブランド導入効果などで収益化に向けた動きが本格化してきた。
そして中期経営計画の目標に掲げた2026年3月期経常利益300百万円を初年度の2024年3月期に達成した。
この点を弊社では高く評価している。
同社の岡野将之(おかのまさゆき)代表取締役社長は「2024年3月期はスカーフ・マフラーが暖冬の影響を受けるという状況下でも、計画を上回る利益を計上することができた。
2025年3月期は中期経営計画2年目の「展開フェーズ」として、さらに攻めの経営を推進したい」と意気込みを語っている。
新コンセプトショップ「カラーレスカラーズ グリーン」の展開など変革に向けた動きも加速しており、引き続き重点戦略の進捗状況に注目したいと弊社では考えている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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