[日本インタビュ新聞社] - ■自民党と立憲民主党の代表選挙が地方創生関連株を刺激
地方創生関連株は、自民党と立憲民主党の代表選挙において、地方開催の演説会で地方党員票の掘り起こしを狙った各候補のリップサービスにより急動意を見せている。特にメルカリやサイネックスが注目されている。臨時国会召集後に解散・総選挙の可能性が高まり、政権交代を巡る期待がさらに高まる中、地方創生関連株に追い風が吹く展開が予想される。週明け早々にメーン銘柄までの急上昇は期待し過ぎかもしれないが、ふるさと納税関連株やインバウンド関連株、スマート農業関連株などに広く注目が集まる可能性がある。
■ふるさと納税関連株の割安株から自治体向け情報サイト株へ好循環
地方創生関連株の一番手は、地方産業への経済波及効果が数兆円とも観測されているふるさと納税関連株だろう。同関連株のなかでは、今年6月に総務省が、納税制度のルールを見直し来年10月からポイント付与の禁止を打ち出し株価が上下に影響を受けたふるさと納税ポータルサイトを運営する銘柄がまず浮上する。業績が打撃を受けるとして年初来安値まで売られたアイモバイル<6535>(東証プライム)は、その後発表した今7月期業績の3期ぶりの過去最高純利益更新と連続増配予想で急落前の水準まで戻しており、PERは10.0倍、配当利回りは5.0%となお割安である。このほかポータルサイト関連の割安株は、Hamee<3134>(東証スタンダード)、チェンジホールディングス<3962>(東証プライム)、イード<6038>(東証グロース)と続き、ポータルサイト向けに返礼品を提供する三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東証プライム)、スターゼン<8043>(東証プライム)なども含まれる。
またルール見直しに関連して各自治体の広報活動競争の積極化も予想され、自治体向け情報サイトを運営している前記のサイネックスのほか、イシン<143A>(東証グロース)、タウンニュース社<2481>(東証スタンダード)、ホープ<6195>(東証グロース)、フューチャーリンクネットワーク<9241>(東証グロース)、TKC<9746>(東証プライム)なども関連株の一角を形成することになる。
■インバウンド関連株を筆頭にスマート農業関連株やホタテ養殖株も
観光業は、いまや地方経済再活性化の切り札の一つと期待されている。訪日外客数が回復に転じで同旅行者の消費増額が、昨2023年が約5兆3000億円と過去最高となり、2024年の訪日外客数も、2019年の過去最高(3188万人)を抜く3477万人、消費増額の7兆3000億円に続伸すると一部予測されているためだ。関連株ではまず地域でホテルチェーンを展開の割安株が注目で、ダイブ<151A>(東証グロース)、アメイズ<6076>(福証)、グリーンズ<6547>(東証スタンダード)、京都ホテル<9723>(東証スタンダード)が浮上し、次いで共立メンテナンス<9616>(東証プライム)、藤田観光<9722>(東証プライム)の出遅れ感が意識されよう。宝飾品、高額商品では百貨店株で前記の三越伊勢丹HDのほか高島屋<8233>(東証プライム)、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>(東証プライム)にも出番が回ってこよう。コメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)などのリユース関連株も外せない。
農業・林業・水産業の一次産業支援では、スマート農業関連のタカミヤ<2445>(東証プライム)、OATアグリオ<4979>(東証スタンダード)、セラク<6199>(東証スタンダード)が割安株グループを形成する。水産関連では、中国が突如、日本産水産物の輸入解禁の検討に踏み切ったことから、ホタテ養殖会社をM&Aしたヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>(東証プライム)に注目が集まり、やや割高だが時流人気を謳歌しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)