*15:11JST エアーテック Research Memo(1):2028年度に売上高180億円を目指す中期経営計画を策定
■要約
日本エアーテック (TYO:6291)は、国内唯一のクリーンエアーシステム専門メーカーで、受注から設計・製造・据付・搬入後のメンテナンスまでワンストップで対応している。
「きれいな空気で、未来を支える。
」のパーパスのもと、清浄環境を必要とする半導体・電子分野及びバイオ分野を主軸に多数の製品及び設計・施工技術を有している。
特に研究開発に注力しており、独自に開発した送風機の省エネルギー性能は、脱炭素社会の実現に大きく寄与する高付加価値製品として競争力が高い。
1. 2024年12月期第2四半期決算の業績概要
2024年12月期第2四半期(2024年1~6月)業績は、売上高が6,758百万円(前年同期比6.3%減)、営業利益606百万円(同19.7%増)、経常利益1,044百万円(同30.4%増)、中間純利益747百万円(同30.5%増)となった。
通期業績予想比(上方修正後)で見た進捗率は、売上高50.1%、営業利益65.2%、経常利益79.7%、当期純利益79.5%と、第2四半期として売上高は順調に推移し、各段階利益は好調な進捗となった。
利益面は海外関係会社等からの受取配当金が397百万円と予想を上回ったほか、製品価格の改定や原価・経費削減等の利益率改善策が奏功した。
利益率に関しては、営業利益率が9.0%(前年同期比2.0ポイント増)、経常利益率は15.5%(同4.4ポイント増)と改善が進んだ。
売上面を分野別に見ると、国内での半導体増産計画や電子工業分野、自動車関連企業での設備投資拡大を背景として電子・半導体・自動車の各分野が伸び、2024年12月期第2四半期の売上比率は52.6%と、2023年12月期の49.5%から3.1ポイント上昇した。
またバイオ分野では、製薬分野の工場・研究施設や感染症研究等の設備投資が堅調であることを受けて製薬分野の売上比率が増加したが、感染症対策機器の売上が伸び悩み、医療分野は減少となった。
2. 2024年12月期の業績予想
2024年12月期の業績予想は、売上高が13,500百万円(前期比1.1%減)、営業利益930百万円(同31.5%増)、経常利益1,310百万円(同29.7%増)、当期純利益940百万円(同28.4%増)と売上高はほぼ前期並みだが、各段階利益は増益を見込んでいる。
同社は2024年12月期第2四半期の実績を踏まえ通期業績予想を修正し、各段階利益を一段と引き上げた。
引き上げ後の水準では営業利益率は6.9%(前期比1.7ポイント増)、経常利益率は9.7%(同2.3ポイント増)となる。
下半期も電子分野やバイオ分野の設備投資が堅調という事業環境の継続が見込まれ、電子部品産業の工場新設や設備増強への投資が活発で引き合いも多い。
自動車関連ではEV関連での設備投資が堅調で、クリーンルームやクリーンルーム機器の受注増につながりそうだ。
バイオ分野では製薬メーカー等による感染症対策のためのワクチン研究等の活動に必要な研究施設や、細胞加工用クリーンルームへの設備投資が堅調で、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の特需の落ち込み分の穴埋めに寄与することが期待される。
これらを踏まえると、利益面はかなり保守的に見積もっている印象を弊社では持っている。
3. 中期経営計画
同社は2023年12月に5ヶ年(2024年~2028年)の中期経営計画を策定した。
同社は2023年10月に東京証券取引所(以下、東証)プライム市場から東証スタンダード市場に移行したが、新市場での上場維持基準の適合に向けて、新たな経営方針、戦略を加味した。
同計画では、「世界に通用するクリーンエアーシステム技術を確立し、社会に貢献する。
」という社是のもと、「標準・準標準品の売上比率向上」「差別化(ハード、ソフト、創造性)による脱価格競争」「グローバル化」「新市場への進出」「総還元性向を65%以上とする(計画期間内)」「サステナビリティ経営への取り組み」の6つの中長期基本方針を定めた。
数値目標として、2028年度の売上高180億円、営業利益14億円、経常利益18億円を目指す。
■Key Points
・電子・バイオ両分野の堅調な設備投資に支えられ、業績は順調に推移
・2028年度に売上高180億円を確保する中期経営計画を策定し、推進中
・中期経営計画では総還元性向65%以上を基本方針に掲げ、株主還元策を拡大
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
日本エアーテック (TYO:6291)は、国内唯一のクリーンエアーシステム専門メーカーで、受注から設計・製造・据付・搬入後のメンテナンスまでワンストップで対応している。
「きれいな空気で、未来を支える。
」のパーパスのもと、清浄環境を必要とする半導体・電子分野及びバイオ分野を主軸に多数の製品及び設計・施工技術を有している。
特に研究開発に注力しており、独自に開発した送風機の省エネルギー性能は、脱炭素社会の実現に大きく寄与する高付加価値製品として競争力が高い。
1. 2024年12月期第2四半期決算の業績概要
2024年12月期第2四半期(2024年1~6月)業績は、売上高が6,758百万円(前年同期比6.3%減)、営業利益606百万円(同19.7%増)、経常利益1,044百万円(同30.4%増)、中間純利益747百万円(同30.5%増)となった。
通期業績予想比(上方修正後)で見た進捗率は、売上高50.1%、営業利益65.2%、経常利益79.7%、当期純利益79.5%と、第2四半期として売上高は順調に推移し、各段階利益は好調な進捗となった。
利益面は海外関係会社等からの受取配当金が397百万円と予想を上回ったほか、製品価格の改定や原価・経費削減等の利益率改善策が奏功した。
利益率に関しては、営業利益率が9.0%(前年同期比2.0ポイント増)、経常利益率は15.5%(同4.4ポイント増)と改善が進んだ。
売上面を分野別に見ると、国内での半導体増産計画や電子工業分野、自動車関連企業での設備投資拡大を背景として電子・半導体・自動車の各分野が伸び、2024年12月期第2四半期の売上比率は52.6%と、2023年12月期の49.5%から3.1ポイント上昇した。
またバイオ分野では、製薬分野の工場・研究施設や感染症研究等の設備投資が堅調であることを受けて製薬分野の売上比率が増加したが、感染症対策機器の売上が伸び悩み、医療分野は減少となった。
2. 2024年12月期の業績予想
2024年12月期の業績予想は、売上高が13,500百万円(前期比1.1%減)、営業利益930百万円(同31.5%増)、経常利益1,310百万円(同29.7%増)、当期純利益940百万円(同28.4%増)と売上高はほぼ前期並みだが、各段階利益は増益を見込んでいる。
同社は2024年12月期第2四半期の実績を踏まえ通期業績予想を修正し、各段階利益を一段と引き上げた。
引き上げ後の水準では営業利益率は6.9%(前期比1.7ポイント増)、経常利益率は9.7%(同2.3ポイント増)となる。
下半期も電子分野やバイオ分野の設備投資が堅調という事業環境の継続が見込まれ、電子部品産業の工場新設や設備増強への投資が活発で引き合いも多い。
自動車関連ではEV関連での設備投資が堅調で、クリーンルームやクリーンルーム機器の受注増につながりそうだ。
バイオ分野では製薬メーカー等による感染症対策のためのワクチン研究等の活動に必要な研究施設や、細胞加工用クリーンルームへの設備投資が堅調で、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の特需の落ち込み分の穴埋めに寄与することが期待される。
これらを踏まえると、利益面はかなり保守的に見積もっている印象を弊社では持っている。
3. 中期経営計画
同社は2023年12月に5ヶ年(2024年~2028年)の中期経営計画を策定した。
同社は2023年10月に東京証券取引所(以下、東証)プライム市場から東証スタンダード市場に移行したが、新市場での上場維持基準の適合に向けて、新たな経営方針、戦略を加味した。
同計画では、「世界に通用するクリーンエアーシステム技術を確立し、社会に貢献する。
」という社是のもと、「標準・準標準品の売上比率向上」「差別化(ハード、ソフト、創造性)による脱価格競争」「グローバル化」「新市場への進出」「総還元性向を65%以上とする(計画期間内)」「サステナビリティ経営への取り組み」の6つの中長期基本方針を定めた。
数値目標として、2028年度の売上高180億円、営業利益14億円、経常利益18億円を目指す。
■Key Points
・電子・バイオ両分野の堅調な設備投資に支えられ、業績は順調に推移
・2028年度に売上高180億円を確保する中期経営計画を策定し、推進中
・中期経営計画では総還元性向65%以上を基本方針に掲げ、株主還元策を拡大
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)