*15:14JST エアーテック Research Memo(4):政府の半導体・デジタル産業戦略により設備投資需要が拡大
■日本エアーテック (TYO:6291)の事業環境
1. 市場動向
電子工業分野は、半導体デバイス市場における2023年の生産調整を経て現在は回復段階にあり、半導体関連の設備投資が高水準を維持している。
政府の半導体・デジタル産業戦略や大規模な助成金予算化に後押しされ、半導体の国内製造能力増強に向けた動きは活発に推移している。
これを受けて、2024年2月、熊本県で台湾ファンドリー大手の台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場が開所し、続く第2工場の建設も発表した。
日本政府はTSMCへ総額1兆2,000億円余りの補助金を拠出する予定である。
電気自動車(EV)市場の拡大を見込み、パワー半導体の大型設備投資も九州で各メーカーを中心に計画している。
また、2ナノメートル以下の最先端半導体を生産する工場の建設を北海道で計画している。
この先もDX、EV、再生エネルギー関連等様々な分野で、国内の半導体・電子機器・材料関連投資は持続的に増えることが見込まれる状況であると弊社では考えている。
バイオロジカル分野は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い社会経済活動の正常化が進み、製薬、再生医療、医療、食品、感染症研究への設備投資が堅調に推移しており、クリーンルーム及び安全キャビネットやクリーンブース等の機器の堅調な受注が見込まれる。
感染症関連については、コロナ禍の特需は収束したが、室内空気環境への意識は高まっており、研究開発部門や福祉・介護施設等の需要は引き続き伸びていくと見込まれる。
2. 部品調達及び原材料価格
ウクライナ紛争の長期化による燃料価格の上昇、世界的な物価上昇により、原材料となる鋼板、ステンレス、アルミ等の価格上昇は2021年以降継続し、現在も高止まりしている。
同社では、2022年6月と11月に標準製品を、2023年4月に幅広い品目を値上げした。
2024年1月には2021年以降5回目となる標準製品値上げと特殊製品の売価設定見直しを実施した。
また、パワー半導体を主とした部品不足が継続しており、多くの電気部品の供給不足、納期の長期化が解消されていない。
そこで同社は部品不足による受注機会の逸失を避けるため、標準的に使用する部品の在庫を厚くしている。
重要部品については購入先を開拓し、2社購買へ転換する取り組みを進めている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
1. 市場動向
電子工業分野は、半導体デバイス市場における2023年の生産調整を経て現在は回復段階にあり、半導体関連の設備投資が高水準を維持している。
政府の半導体・デジタル産業戦略や大規模な助成金予算化に後押しされ、半導体の国内製造能力増強に向けた動きは活発に推移している。
これを受けて、2024年2月、熊本県で台湾ファンドリー大手の台湾積体電路製造(TSMC)
日本政府はTSMCへ総額1兆2,000億円余りの補助金を拠出する予定である。
電気自動車(EV)市場の拡大を見込み、パワー半導体の大型設備投資も九州で各メーカーを中心に計画している。
また、2ナノメートル以下の最先端半導体を生産する工場の建設を北海道で計画している。
この先もDX、EV、再生エネルギー関連等様々な分野で、国内の半導体・電子機器・材料関連投資は持続的に増えることが見込まれる状況であると弊社では考えている。
バイオロジカル分野は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い社会経済活動の正常化が進み、製薬、再生医療、医療、食品、感染症研究への設備投資が堅調に推移しており、クリーンルーム及び安全キャビネットやクリーンブース等の機器の堅調な受注が見込まれる。
感染症関連については、コロナ禍の特需は収束したが、室内空気環境への意識は高まっており、研究開発部門や福祉・介護施設等の需要は引き続き伸びていくと見込まれる。
2. 部品調達及び原材料価格
ウクライナ紛争の長期化による燃料価格の上昇、世界的な物価上昇により、原材料となる鋼板、ステンレス、アルミ等の価格上昇は2021年以降継続し、現在も高止まりしている。
同社では、2022年6月と11月に標準製品を、2023年4月に幅広い品目を値上げした。
2024年1月には2021年以降5回目となる標準製品値上げと特殊製品の売価設定見直しを実施した。
また、パワー半導体を主とした部品不足が継続しており、多くの電気部品の供給不足、納期の長期化が解消されていない。
そこで同社は部品不足による受注機会の逸失を避けるため、標準的に使用する部品の在庫を厚くしている。
重要部品については購入先を開拓し、2社購買へ転換する取り組みを進めている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)