Investing.com -- 中国の人工知能スタートアップDeepSeekは、急速な知名度の上昇に伴うAIチップとサーバーの需要増加に対応するため、外部からの資金調達を検討していると、事情に詳しい関係者の話をもとにThe Informationが報じている。
中国の定量的ヘッジファンドHigh-Flyer Capital Managementから派生した設立2年目のこのスタートアップは、これまで製品の商業化を急がないよう、外部からの資金調達を控えてきた。
しかし、同社のAIチャットボットアプリの人気上昇により、より多くのリソースが必要となり、外部からの資金調達に関する社内での議論が始まった。AlibabaグループやChina Investment Corp.、国家社会保障基金など、中国の政府系ファンドを含む潤沢な資金を持つ投資家らが、DeepSeekの成長への投資に関心を示している。
同社の経営陣は親会社のヘッジファンドの幹部らと共に、研究重視の姿勢から、実質的な収益と最終的には利益を生み出すビジネスの構築へと焦点を移すかどうかを検討している。また、より多くのNvidia AIチップへのアクセスを得るため、東南アジアのデータセンターの利用も検討している。
同社の資金調達計画には複雑な課題がある。特に政府系の中国の主要投資家からの資金調達は、ワシントンの懸念を深める可能性があり、将来的な米国でのビジネスチャンスを制限する可能性がある。さらに、米国の投資家やファンドは、中国のAI企業への投資を制限する新しい米国の規制により、DeepSeekへの投資が困難になる可能性がある。
DeepSeekのもう一つの課題は、AI開発に十分な性能を持つNvidia AIチップへのアクセスの確保である。同社はより多くのNvidiaチップへのアクセスを得るため、マレーシアのデータセンターの利用を検討している。ByteDanceなど中国の主要なAI競合他社は既に、中国国外のデータセンターでNvidia搭載サーバーをレンタルすることで、米国の輸出規制に違反することなくNvidiaチップを使用する手段を確保している。
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