テスラのイーロン・マスクCEOは、自身の報酬案に対する支持を集めるため、15人の株主を工場見学に招待した。これは、テスラの年次株主総会で予定されている、マスクCEOの560億ドル（約5.6兆円）の報酬に関する投票を前にしたものだ。テキサス州にあるテスラのサイバートラックとモデルYの生産ラインを紹介する工場見学は、株主総会の前日である6月12日に設定されている。
テスラは、マスクの多額の給与パッケージを再確認するための株主投票を積極的に求めている。当初は2018年に設定されたものの、交渉役員の公平性を懸念して後に裁判官によって無効とされた。マスク氏の関心が様々なプロジェクトに分散している可能性や、彼の公的な発言がテスラのブランドや売上に影響を及ぼしている可能性が懸念される中、同社は危機感をもって公に投票キャンペーンを行うという異例の措置を取り、株主に対して "遅れないで、今日投票しよう！"と呼びかけている。
AI企業xAIの創業者でもあり、最近60億ドルの資金を調達したマスク氏は、テスラで25％の議決権を確保できなければ、独自に人工知能製品に乗り出す可能性を示唆している。現在、マスク氏はテスラ株の約13％を保有しているが、ストックオプションを行使することで、保有比率が22％まで上昇する可能性がある。
マスク氏の給与について再確認を求める決定は、テスラが売上の減少と、特に中国メーカーとの競争の激化を理由に、全世界の従業員を10％以上削減すると発表したことを受けたものだ。委任状アドバイザリー会社であるグラスルイスは、マスク氏が "非常に時間のかかるプロジェクト "に関与していることを指摘し、株主に対して給与パッケージに反対票を投じるよう勧告している。
テスラの株主基盤は独特で、個人投資家を含む非プロ株主がテスラの普通株の44％を保有しており、アップルやエヌビディアのようなハイテク大手を含むS&P500の時価総額上位10社の中で最も高い割合となっている。この個人投資家の比率の高さは、マスク氏の報酬に関する今後の投票において重要な役割を果たす可能性がある。
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