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トーセイ Research Memo(3):多様な事業ポートフォリオを有し、事業環境の変化に柔軟に対応

発行済 2016-02-26 17:03
更新済 2016-02-26 17:33
トーセイ Research Memo(3):多様な事業ポートフォリオを有し、事業環境の変化に柔軟に対応
8923
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■会社概要 (2)トーセイ (T:8923)の事業概要 売買系3事業(不動産流動化、不動産開発、オルタナティブインベストメント)、安定3事業(不動産賃貸、不動産ファンド・コンサルティング、不動産管理)の計6事業体制。
コア事業の不動産流動化をはじめ、不動産開発、不動産ファンド・コンサルティングの3事業を成長ドライバーと位置付けている。
一方、事業の安定性も重視しており、安定3事業の売上総利益で販管費と金利を概ね賄うことができている。
以下、セグメントごとに事業内容を説明する。
a)不動産流動化事業 収益の柱となっている事業。
資産価値の劣化したオフィスビル、商業ビル、レジデンスなどを取得し、バリューアップ後、個人富裕層、事業会社、私募ファンド、REIT、海外投資家などに売却し、売却益を獲得する。
保有期間中の賃料収入は不動産賃貸事業に計上される。
事業期間は半年から2年程度。
取扱う物件の築年数は20年程度の築古が多く、物件規模は3~20億円の中小規模物件を中心としながら100億円程度まで幅広い。
遵法性の治癒、設備の改修や機能付加、内外装のデザイン性向上、稼働率改善などのバリューアップによりNOIを改善させ、キャップレートの低下に頼らずに売却益を上げている。
トーセイ・リート投資法人の上場により、スポンサーとしてパイプラインサポートを行うためウェアハウジング機能も担っている。
通常、REITへのブリッジ案件の利益率は外部売却に比べ低くなるが、長期に安定的なAMフィー等を得ることができる。
2009年9月に不動産流動化の新形態としてRestyling事業を開始。
マンションディベロッパー、私募ファンド、事業会社等から賃貸マンションや社宅を1棟単位で取得し、賃借人が転退居する都度、空室となった専有部分をバリューアップし、1戸ごと順次、エンドユーザーに販売する。
手間と時間のかかる事業であり、不動産投資市場の回復を受け、Restyling事業の仕入れは2012年の1件を最後に途絶えている。
海外でもマレーシアの区分所有マンションやオフィスを試験的に取得し、本格展開の可能性を模索している。
b)不動産開発事業 エンドユーザー向けに分譲マンション、分譲戸建の開発を、投資家(事業会社、個人富裕層、私募ファンド、REIT等)向けに賃貸マンション、オフィスビル、商業ビル・複合ビル等の開発を行い、竣工後あるいはリースアップ後に売却し、開発利益を得る事業。
当初、分譲マンションの開発からスタートし、1999年に分譲戸建、2005年にオフィス・商業ビルへと開発のアセットタイプを広げてきた。
足元では需要が旺盛なホテルの開発を開始している。
多様な開発ラインナップがあるため、用地仕入れ時に立地、規模、ニーズに合わせて柔軟に検討できる強みがある。
商品ブランドは、分譲マンション及び賃貸マンションが「THEパームス」、分譲戸建が「THEパームスコート」、商業ビルが「T'S BRIGHTIA」。
分譲マンションは東京都区部における中規模の一次取得者向けファミリータイプが中心。
分譲戸建の戸当り単価は4,000~5,000万円台が中心であり、3,000万円台で展開しているパワービルダーとの差別化を図っている。
現在、エンドユーザー向けの開発では、分譲マンションと比べ用地価格や建築費上昇の影響が小さい分譲戸建に注力している。
その一環として2015年12月に東京都町田市に本社を置く(株)アーバンホームを買収した。
投資家向けの開発物件の規模は、不動産流動化事業で手掛ける物件と概ね同程度。
c)不動産賃貸事業 投資不動産・固定資産として保有する収益不動産からの賃料収入だけでなく、棚卸資産(再生流動化物件や開発物件)の保有期間中に発生する賃料収入は不動産賃貸事業に計上される。
ただし、オルタナティブインベストメント事業においてM&Aで取得した物件からの賃料収入は同事業に計上される。
固定資産等からの賃料収入は2015年11月期で全体の32%だが、今後は固定資産としての保有も増やしていく方針。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)

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