[東京 12日 ロイター] - 今週の東京株式市場は、不安定さを残す展開となりそうだ。引き続き人民元や中国株の動向から目が離せない。原油価格の下落や米利上げに伴う資金フローの変調などもリスク要因になる。一方、高水準の東証空売り比率が示す通り、悲観的なシナリオはある程度織り込んだ可能性もある。外部環境が落ち着けば反騰相場入りも予想される。
日経平均の予想レンジは1万7000円─1万8000円。
東京株式市場は年初から波乱の展開となった。日経平均は戦後初の大発会から5日続落を記録。下げ幅は1300円を超えた。今週も人民元や中国株の動きに左右され、値動きが激しくなる場面がありそうだ。グローバルなリスクオフの局面では、株安・円高が同時進行するため、輸出企業を中心に企業業績への懸念も高まりやすい。「日経平均1万8000円割れはすでに来期5%程度の減益を織り込んだ水準」(国内証券)との見方もあるが、今後の為替次第ではさらに企業業績への不透明感が強まりかねない。
原油安や中東情勢なども引き続きリスク要因になる。産油国の財政ひっ迫に伴う運用資産の圧縮懸念もくすぶる。だが、「年初からの株安はファンダメンタルズに大きな変化がない中で、昨年8月に起きた中国ショックが過度に意識された面もある」(大和証券チーフグローバルストラテジストの壁谷洋和氏)という。 東証空売り比率は7日、42.4%と過去2番目の高水準となった。空売り比率が必ずしも売りポジションの量を示しているとは言えないが、投資家の過度な不安心理が落ち着けば、買い戻しが反騰相場の原動力になる可能性が高い。
スケジュール面では、震源地となっている中国で13日に発表される12月貿易収支が注目される。8日に発表された12月米雇用統計は非農業部門雇用者数が29万2000人増と、市場予想の20万人増を上回る大幅な伸びとなったが、米国株の下落は止まらなかった。中国指標の内容が悪ければ、投資家の不安心理を増幅させかねない。国内では12日に12月景気ウォッチャー調査、14日に11月機械受注が発表される。景況感に持ち直しの兆しがみられるかどうか注目される。
(株式マーケットチーム※)