[ロンドン 14日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は14日、世界の石油需要の伸びが来年鈍化するものの、なお1.7%と堅調に推移するとの見通しを示した。中国が新型コロナウイルスに関連する経済不振から回復するという。
中国の石油需要は今年は日量40万バレル減の1540万バレルとなる見込みだが、2023年には伸びが約100万バレルに回復すると想定。「(中国の)規制水準は依然として高いが、23年には段階的な経済再開が見込まれるため、22年と来年の伸び見通しをそれぞれ5万バレル、4万バレル引き上げた」とした。
IEAはまた、ロシアの石油輸出が主要7カ国(G7)や欧州連合(EU)などの上限価格設定を控えた11月に日量9万バレル増加し1120万バレルになったと指摘した。ウクライナ侵攻前の水準をわずか20万バレルしか下回っていないという。
11月のロシアの石油輸出は日量27万バレル増の同810万バレルで4月以降で最高となった。
ただ、国際価格の低下とロシアの値引き拡大で、輸出販売収入は7億ドル減少し158億ドルになった。
IEAは、上限価格設定で来年のロシアの生産量が日量140万バレル減少すると引き続き予想。「価格下落は、物価高騰に直面する消費者にとって歓迎すべきことだが、ロシア産石油・石油製品の供給への禁輸措置の影響はまだ完全に把握できない」と述べた。
世界的に景気が悪化する中、一部地域は石油需要が旺盛で、中国、インド、中東が、欧州や東アジアの需要停滞を補ったと指摘した。
IEAは、今年の需要の伸び予想を14万バレル引き上げ日量230万バレルとし、来年の予想も10万バレル引き上げ日量170万バレルとした。