[シドニー 22日 ロイター] - オーストラリア統計局が22日発表した2022年第4・四半期の賃金価格指数は前年比の伸びが3.3%に加速し、10年ぶりの高水準となった。ただ、市場予想の3.5%を下回った。前四半期(改定値)は3.2%上昇していた。
高インフレが物価と賃金の上昇スパイラルにつながることを懸念する政策担当者にとって安心材料となりそうだ。豪準備銀行(中央銀行)は第4・四半期の賃金上昇率を3.5%と予測していた。
賃金価格指数は前期比では0.8%上昇し、伸び率は市場予想の1.0%を下回った。
発表を受け、積極的な追加利上げが必要との見方が後退し、豪ドルは下落した。
豪中銀は昨年5月以降に計325ベーシスポイント(bp)の利上げを実施し、政策金利は10年ぶり高水準の3.35%に達している。
中銀が今月の会合で追加利上げが必要との見方を示したのを受け、市場が予想する金利のピークは4.35%となっていたが、賃金統計発表後には4.1%に低下した。
キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋経済責任者マーセル・ティーリアント氏は「第4・四半期の賃金の伸びは中銀の予想より鈍かった。今後も中銀の想定ほどには加速しないだろう」と指摘。「われわれは労働市場が中銀の予想より急速に緩むとみており、(賃金上昇率は)中銀が見込む4.2%ではなく4%弱がピークになるだろう」と述べた。
第4・四半期の賃金は民間部門が前年比3.6%上昇したのに対し、公共部門は2.5%上昇にとどまった。