[ダブリン 24日 ロイター] - アイルランドの首都ダブリンの路上で男が幼児3人を刃物で次々と切り付けた刺傷事件に端を発した暴動に絡んで同国のバラッカー首相は24日、暴動は鎮圧されてダブリンの中心部に戻っても安全だと宣言した。
バラッカー氏は記者会見で暴動参加者を非難した上で「(ダブリンの)街中に入っても安全だ。昨夜(23日夜)に発生した暴動は幸いなことに比較的一部で起きただけであり、数時間以内に鎮圧した」と言及した。
一夜に及んだ暴動では暴徒が店舗の窓ガラスを割り、パトカーやバス、路面電車に放火して警察と衝突し、34人が逮捕された。警察は暴動が再び起こる可能性があると警告していた。
ダブリン中心部はブラックフライデーを迎えた24日の朝に買い物客や旅行者が戻った。警官らは、略奪された店を警備し大人数で巡回した。暴動での放火で焼け焦げた車は撤去された。
23日の刺傷事件の被害者のうち重体となった5歳の女児は救急治療を受けたものの、24日も危険な状態が続いている。
警察はテロ関連の可能性も含めていかなる動機も排除していないとしており、刺傷事件に関わった疑いで逮捕された男の国籍についてはコメントしていない。
しかし、インターネット上ではすぐに容疑者が外国人ではないかという憶測が流れた。警察は反移民を唱える小規模なグループが刺傷現場に到着して警察と衝突後、極右扇動者が暴動を起こしたと非難した。
バラッカー氏はソーシャルメディア時代にそぐわない反ヘイトの法律を強化するため、政府は直ちに措置を講じると表明した。
バラッカー氏は24日に「国としてアイルランドを取り戻す必要がある。仮面の後ろに隠れ、暴力で私たちを恐怖に陥れようとする臆病者からアイルランドを取り戻す必要がある」との声明を発表した。