[ジュネーブ 13日 ロイター] - ロシアのガチロフ駐ジュネーブ国際機関代表部大使は13日、黒海経由の穀物輸出に関する協定について国連に懸念を伝えたことを明らかにし、ロシアの要求が満たされなければ来月の協定延長を拒否する用意があるとロイターに述べた。
国連とトルコが7月に仲介した協定はウクライナ産穀物輸出の再開につながった。協定にはロシア産穀物・肥料の輸出に対する保証も盛り込まれたが、ロシアは依然として輸出が困難だと繰り返し不満を示していた。
ガチロフ氏によると、ロシア政府は不満を記した書簡を12日にグテレス国連事務総長に届けた。国連当局者は16日にモスクワで協定更新について協議する予定。
ガチロフ氏は「ロシア産の穀物・肥料輸出について何も起きなければ、われわれは見方を変える必要がある」と発言。協定延長を支持しない可能性があるか問われると「可能性はある。穀物の納入に反対しているわけではないが、この取引は平等であるべきで、全ての関係者によって公平に実施されるべきだ」と述べた。
国連のドゥジャリク報道官は「ロシア産穀物・肥料輸出に向けた最後の障壁を取り除くため、ロシアだけでなく欧州連合(EU)、米英の当局者と常に連絡を取り合っている」と述べた。
現職に就く前に外務次官を務めたガチロフ氏は、8カ月近くに及んでいるウクライナでの戦争について、クリミア橋爆発などの「テロ行為」を受け、交渉による解決の見込みは薄れているとの見方を示した。
プーチン大統領とバイデン米大統領の会談の可能性については、ウクライナに対する米国の軍事支援の規模を踏まえれば実現不可能だと指摘。「(軍事支援は)米国を紛争の当事者にしている」と述べた。