■2017年3月期第2四半期決算の分析
(1) 2017年3月期第2四半期決算の概況
イーレックス (T:9517)の2017年3月期第2四半期決算は、売上高13,965百万円(前年同期比24.9%増)、営業利益1,461百万円(同207.9%増)、経常利益1,417百万円(同228.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益(以下、当期純利益)1,012百万円(同233.7%増)と大幅な増収増益で着地した。
同社は第2四半期の期初予想を公表していないが、通期予想に対する第2四半期実績の進捗度を見ると、売上高こそ41.7%と若干低いが、各利益項目は、営業利益は54.8%、経常利益は57.8%、当期純利益71.0%といずれも50%を大きく上回っており、計画以上のペースで進捗していることがうかがえる。
売上高は、2016年4月からの電力小売り全面自由化を受けて、大口需要家主体の高圧分野に加えて家庭向け主体の低圧分野で顧客数を伸ばしたことが増収につながった。
利益に比べて売上高の進捗率が低いのは、原油など燃料価格の下落によって、燃料費調整額が低下したことや卸売部門においてJEPXでの取引価格が低下したことが、影響したためだ。
電力販売先については、高圧分野の顧客契約数は2016年3月末の約8,000件から9月末には約9,400件へ、4月スタートの低圧分野の顧客契約数は9月末には約25,000件に、それぞれ拡大した。
今第2四半期は、高圧分野のなかで、収益性の高い顧客を数多く獲得することが出来たことも、利益の大幅増益の一因となった。
利益面では、売上原価が11,087百万円と、前年同期比11.4%の増加にとどまったことが増益に貢献した。
これは、仕入電力量は増加したものの、JEPXからの仕入れを増やしたことで前年同期と比較し電力の調達単価を引き下げることができたことが主因だ。
2016年4月からインバランスコスト(電力の過不足に対する新電力と各地域電力会社との間の精算金額)の算定方法が変更になったことも、今第2四半期は原価低減に寄与した。
売上原価の伸びを抑制できた結果、売上総利益は前年同期比134.4%増の2,878百万円に達した。
販管費は人員増や代理店手数料の増加で1,416百万円に達したが、売上総利益の増益率を大きく下回る前年同期比88.1%増にとどまったため、営業利益は前年同期比207.9%増の1,461百万円に達した。
(2)主要KPIの動向
販売面では、同社は代理店制度を採用しているが、その数は2016年3月末の約1,200から、9月末の約1,300まで増加した。
電力小売の顧客契約件数は、前述のように、高圧分野が約9,400件、低圧分野が約25,000件となっている。
高圧分野は月間200〜400件の契約数増加ペースが続いてきたが、足元でもそのペースが維持されている。
低圧分野については2017年3月末の顧客契約数を53,000件と計画していたが、進捗はそれを上回るペースでの進捗となっている。
同社は電力を小売と卸売の2ルートで販売している。
小売は契約者に直接販売するが卸売はJEPXでの取引だ。
ここ数年は、電力小売契約件数の増加と、原油下落によるJEPXでの取引価格下落を受けて、小売割合を多くする方向にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
(1) 2017年3月期第2四半期決算の概況
イーレックス (T:9517)の2017年3月期第2四半期決算は、売上高13,965百万円(前年同期比24.9%増)、営業利益1,461百万円(同207.9%増)、経常利益1,417百万円(同228.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益(以下、当期純利益)1,012百万円(同233.7%増)と大幅な増収増益で着地した。
同社は第2四半期の期初予想を公表していないが、通期予想に対する第2四半期実績の進捗度を見ると、売上高こそ41.7%と若干低いが、各利益項目は、営業利益は54.8%、経常利益は57.8%、当期純利益71.0%といずれも50%を大きく上回っており、計画以上のペースで進捗していることがうかがえる。
売上高は、2016年4月からの電力小売り全面自由化を受けて、大口需要家主体の高圧分野に加えて家庭向け主体の低圧分野で顧客数を伸ばしたことが増収につながった。
利益に比べて売上高の進捗率が低いのは、原油など燃料価格の下落によって、燃料費調整額が低下したことや卸売部門においてJEPXでの取引価格が低下したことが、影響したためだ。
電力販売先については、高圧分野の顧客契約数は2016年3月末の約8,000件から9月末には約9,400件へ、4月スタートの低圧分野の顧客契約数は9月末には約25,000件に、それぞれ拡大した。
今第2四半期は、高圧分野のなかで、収益性の高い顧客を数多く獲得することが出来たことも、利益の大幅増益の一因となった。
利益面では、売上原価が11,087百万円と、前年同期比11.4%の増加にとどまったことが増益に貢献した。
これは、仕入電力量は増加したものの、JEPXからの仕入れを増やしたことで前年同期と比較し電力の調達単価を引き下げることができたことが主因だ。
2016年4月からインバランスコスト(電力の過不足に対する新電力と各地域電力会社との間の精算金額)の算定方法が変更になったことも、今第2四半期は原価低減に寄与した。
売上原価の伸びを抑制できた結果、売上総利益は前年同期比134.4%増の2,878百万円に達した。
販管費は人員増や代理店手数料の増加で1,416百万円に達したが、売上総利益の増益率を大きく下回る前年同期比88.1%増にとどまったため、営業利益は前年同期比207.9%増の1,461百万円に達した。
(2)主要KPIの動向
販売面では、同社は代理店制度を採用しているが、その数は2016年3月末の約1,200から、9月末の約1,300まで増加した。
電力小売の顧客契約件数は、前述のように、高圧分野が約9,400件、低圧分野が約25,000件となっている。
高圧分野は月間200〜400件の契約数増加ペースが続いてきたが、足元でもそのペースが維持されている。
低圧分野については2017年3月末の顧客契約数を53,000件と計画していたが、進捗はそれを上回るペースでの進捗となっている。
同社は電力を小売と卸売の2ルートで販売している。
小売は契約者に直接販売するが卸売はJEPXでの取引だ。
ここ数年は、電力小売契約件数の増加と、原油下落によるJEPXでの取引価格下落を受けて、小売割合を多くする方向にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)