Humeyra Pamuk Michael Martina
[ニューヨーク 18日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は18日、国連総会に合わせ、中国の韓正国家副主席と会談した。国務省の声明によると「率直で建設的な協議」を行った。
双方はオープンな対話手段の維持で合意したほか、ロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮、台湾海峡について話し合ったという。
世界最大の経済大国である米中は緊張した関係の改善に向けて高官による会談を実施しており、先週末にはサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国の王毅外相が地中海の島国マルタで会談した。
ブリンケン氏は会談の冒頭、「世界はわれわれが責任を持って(米中)関係を管理することを期待している。米国はそうすることを確約する」と指摘。「米国の見解では顔を合わせて外交することが意見の異なる分野に対処する最善の方法であり、両国の協力分野を探る最善の方法でもある」とした。
一方、韓氏は「現在、中米関係は多くの困難と課題に直面している」とし、米国が米中両首脳のコンセンサスの履行に努め、関係の安定的な発展を促進することを望むと言及。「世界は安定的かつ健全な中米関係を必要としている」とした。
米中首脳会談の実現性に関しては両氏とも言及しなかった。
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は、11月にサンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて会談する可能性がある。
米中は台湾や貿易、麻薬鎮痛剤「オピオイド」の一種「フェンタニル」、人権といったさまざまな問題で対立している。米国内には中国との関係を強めていく戦略に疑問を呈し、米政府高官の電子メールを標的とした最近のハッキングなど挑発行為を阻止できなければ、中国をつけあがらせることになると警告する向きもある。
米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は18日、中国は主要な競合を全て合わせた規模を上回る巨大なサイバースパイ活動プログラムを有していると述べた。
ブルッキングス研究所の中国専門家、ライアン・ハス氏は米中のハイレベル協議のペースを踏まえると、単なる関係管理の一環ではなく、目的があると指摘。「11月に生産的な首脳会談を実現するための地ならしに取り組んでいるのだろう」と語った。