■中期経営計画
SFPダイニング (T:3198)は、2017年2月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を推進してきたが、出店方針の見直しによる影響や今期の業績が一旦踊り場となることを踏まえ、新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。
前回の中期経営計画では、年間40店舗程度の出店ペースを前提としていたが、今期の出店計画を20店舗に見直したことから、全体的な業績の伸びを引き下げた。
ただし、来期以降、年間40店舗程度の出店ペースに変更はない。
最終年度である2020年2月期の目標として、売上高を47,000百万円(3年間の平均成長率14.3%)、経常利益を4,700百万円(同14.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益を2,850百万円(同17.0%)と見込んでいる。
中期的な成長をけん引するのも、「磯丸水産」と「鳥良商店」の2枚看板が軸となっており、順調に滑り出した新業態「トラ五郎」が3本目の柱として成長した場合、来期以降の業績の確度はさらに高いものになるであろう。
また、前述のとおり、「磯丸水産」については関西エリア、「鳥良商店」については都心一等地の未出店エリアを中心とした出店を行う方針である。
また、利益面では、前回の中期経営計画と同様、経常利益率は現状の水準(10%程度)にておおむね横ばいで推移する見通しとなっている。
既に業界の中で高い水準を確保していると言えるが、今後の増収効果や出店拡大が見込まれる「鳥良商店」の原価率が相対的に低いことなどを勘案すれば、やや保守的な想定と考えられる。
同社では、これまで経常利益率8%を目標としてきたが、今後もこの基準を継続する方針であり、目標を超える部分についてはサービスの向上や管理面の整備、人材の確保、業態開発等、持続的な成長に向けて効果的に配分していく計画となっているようだ。
弊社では、出店方針の見直しを行ったものの、「磯丸水産」及び「鳥良商店」の出店余地は十分にあるため、中期経営計画の達成は可能であるとみている。
また、新業態の「トラ五郎」が順調に滑り出したこともプラスの要因として捉えており、新しい業態が第3の柱として軌道に乗ってくれば、出店拡大の余地や確度はさらに高まるものと評価できる。
今期の業績は一旦踊り場となるものの、出店方針を早めに見直し、課題解決や新規事業の開発を優先させる方針としたのは、持続的な成長に向けて合理的な決断であると言えるだろう。
また、今後の注目点としては、1)既存店の強化による成果、2)「磯丸水産」の関西圏エリアへの展開とその結果、3)「鳥良商店」の都心一等地における出店ペース、4)新業態の開発と本格展開に向けた道筋などが挙げられる。
特に、3)と4)については、同社独自の収益モデルの今後の展開力を図るうえで、重要な試金石になるものとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
SFPダイニング (T:3198)は、2017年2月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を推進してきたが、出店方針の見直しによる影響や今期の業績が一旦踊り場となることを踏まえ、新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。
前回の中期経営計画では、年間40店舗程度の出店ペースを前提としていたが、今期の出店計画を20店舗に見直したことから、全体的な業績の伸びを引き下げた。
ただし、来期以降、年間40店舗程度の出店ペースに変更はない。
最終年度である2020年2月期の目標として、売上高を47,000百万円(3年間の平均成長率14.3%)、経常利益を4,700百万円(同14.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益を2,850百万円(同17.0%)と見込んでいる。
中期的な成長をけん引するのも、「磯丸水産」と「鳥良商店」の2枚看板が軸となっており、順調に滑り出した新業態「トラ五郎」が3本目の柱として成長した場合、来期以降の業績の確度はさらに高いものになるであろう。
また、前述のとおり、「磯丸水産」については関西エリア、「鳥良商店」については都心一等地の未出店エリアを中心とした出店を行う方針である。
また、利益面では、前回の中期経営計画と同様、経常利益率は現状の水準(10%程度)にておおむね横ばいで推移する見通しとなっている。
既に業界の中で高い水準を確保していると言えるが、今後の増収効果や出店拡大が見込まれる「鳥良商店」の原価率が相対的に低いことなどを勘案すれば、やや保守的な想定と考えられる。
同社では、これまで経常利益率8%を目標としてきたが、今後もこの基準を継続する方針であり、目標を超える部分についてはサービスの向上や管理面の整備、人材の確保、業態開発等、持続的な成長に向けて効果的に配分していく計画となっているようだ。
弊社では、出店方針の見直しを行ったものの、「磯丸水産」及び「鳥良商店」の出店余地は十分にあるため、中期経営計画の達成は可能であるとみている。
また、新業態の「トラ五郎」が順調に滑り出したこともプラスの要因として捉えており、新しい業態が第3の柱として軌道に乗ってくれば、出店拡大の余地や確度はさらに高まるものと評価できる。
今期の業績は一旦踊り場となるものの、出店方針を早めに見直し、課題解決や新規事業の開発を優先させる方針としたのは、持続的な成長に向けて合理的な決断であると言えるだろう。
また、今後の注目点としては、1)既存店の強化による成果、2)「磯丸水産」の関西圏エリアへの展開とその結果、3)「鳥良商店」の都心一等地における出店ペース、4)新業態の開発と本格展開に向けた道筋などが挙げられる。
特に、3)と4)については、同社独自の収益モデルの今後の展開力を図るうえで、重要な試金石になるものとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)