[ニューヨーク 19日 ロイター] 20日から始まる今週の米国株式市場は、クリスマス休暇もあり小動きになると予想される。また、今年の取引もあとわずかとなるなか、投資家は2011年に有望な銘柄を見極めようとするとみられる。
今年の米株市場で顕著だった特徴は、アセットクラス間の相関関係だった。ドルや債券の動きが、企業の業績見通しと同じくらいのインパクトを株に与えた。
なぜそうなったかというと、投資家の注目要因が、米連邦準備理事会(FRB)の追加緩和やユーロ圏ソブリン債務問題などに集中していたからだ。
マクロ的な要因に関心が集まった結果、取引はセクターなどにより異なるのでなく、一律一方向的となった。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの金融市場戦略責任者、チャーリー・ブラッド氏によると「どんなに一所懸命、勝ち組と負け組に選り分けても、それで得られる利益は平均以下だった」という。
アナリストは、来年になると相関関係は薄れ、セクターによって違いがでて投資家が市場をアウトパフォームする機会が増えると予想している。
ConvergExグループのチーフマーケットストラテジストは「このような(相関性)は、多様性が生まれる余地を与えず、構造的に維持するのは不可能」と述べ、資本市場にとって健全とはいえず、解消する必要があるとの認識を示した。
投資家はポジションの見直しをするが、市場は年末まで小動きになるとみられる。
米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は17日、4月以来の水準に低下した。
20日の週に発表される主な経済指標は、第3・四半期の国内総生産(GDP)確報値、11月の新築1戸建て住宅販売と中古住宅販売、12月のミシガン大消費者信頼感指数確報値などがある。