[東京 28日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のNY市場終盤(136.20/25円)から小幅高の136.31/33円付近で取引されている。新規材料が乏しい中、米金利をにらみながら方向感なく推移した。参議院の所信聴取での日銀副総裁候補の発言には相場の反応は薄かった。
仲値にかけて実需の売り買いが交錯。その後も明確な方向は出ず、約26銭と狭いレンジ内で推移した。
午前から午後にかけて、参議院での次期日銀副総裁候補の内田真一日銀理事と氷見野良三前金融庁長官の所信聴取が行われたが、現状の金融政策を踏襲する格好となり、タカ派的な発言も出なかった。市場では「YCCの即時撤廃など急激な政策修正は一段と期待しづらくなってきた」(外銀)との声が聞かれる。
足元のドル/円について、トレイダーズ証券の市場部長、井口喜雄氏は、米経済指標は概ね強い結果が続いていることや「日銀の金融政策にタカ派色がみえてくるのは植田氏が新総裁に就任する4月以降になるとみられ、それまでは急激な円高に振れにくい」とし、底堅い動きが続くと予想する。ドルは137円付近がレジスタンスとして意識されているものの、「利益確定売りをこなしながら、今後発表される米経済指標がしっかりとした内容となれば、137円台に乗せる可能性はある」(井口氏)との見方を示した。
ユーロ/円は144円前半、ポンド/円は164円前半と、いずれも昨年12月20日以来2カ月ぶりの高値圏を維持した。
欧州中央銀行(ECB)による積極的な金融引き締めへの期待を背景に独10年債利回りが12年ぶり高水準へ到達。また、英国と欧州連合(EU)が北アイルランドの物流規則の緩和で合意したことなどが材料視された。ただ、市場では一時的な上昇との見方が強く、「上昇トレンドに乗ったわけではない」(国内証券)との声が聞かれた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 136.31/33 1.0583/87 144.25/29
午前9時現在 136.32/34 1.0608/12 144.61/65
NY午後5時 136.20/25 1.0607/11 144.51/55