[東京 12日 ロイター] - SBIホールディングスは12日、SBI新生銀行に対し株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。1株2800円(12日終値は2585円)で、5月15日から6月23日まで買い付ける。一般株主の保有分を対象とし、最大約77%の保有を目指す。
SBIは子会社を通じてSBI新生銀株50.04%を保有している。預金保険機構が13.18%、整理回収機構が9.80%を保有。TOB後の株式併合などの手続きを経てSBI新生銀の株主はSBIと政府系株主のみとなり、同行株式は上場廃止になる見込み。これにより、上場維持コストの削減や最適な経営資源配分、相互補完によるビジネスのさらなる強化を図る。
SBIは今回のTOBに関し、SBI新生銀株の上場を維持したままでは中長期的な成長に向けた施策を迅速に行うのは困難と判断した。SBI新生銀はTOBに賛同意見を表明し、株主に応募を推奨することを決議した。
SBI新生銀の公的資金返済を巡っては、預金保険機構などと具体的な仕組みについて2025年6月末までに合意するとしている。
北尾吉孝会長兼社長は会見で「経済環境が極めて厳しい中、いつまでに返すということは軽々に言えない」と慎重な姿勢を示した。そのうえで、SBI新生銀の収益力を上げることが重要だとし、政府系とSBIのみが株主となることで「経営の自由度が高まるなかで、収益力を高めることを考えていける」と述べた。