[ニューヨーク 28日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が債券買い入れの早期縮小を示唆せず、インフレ見通しや全般的な経済について慎重な見方を示したことを受け、ドルが下落した。
FRBは27─28日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きと債券購入プログラムの月額購入額の維持を全会一致で決定。米経済の力強さは増しているとしたが、経済回復支援策を縮小する用意があるとの兆候は示さなかった。パウエル議長も記者会見で、政策変更の議論開始について「まだその時期ではない」とし、経済が完全雇用に回復するには程遠いとの見解を改めて示した。
アクション・エコノミクス(フリロダ州)のグローバル外為分析部門責任者、ロン・シンプソン氏は「パウエル議長はテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)を巡る観測に冷や水を浴びせた」とし、これがドル下落の主な要因となったと指摘。
キャピタル・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ポール・アッシュワース氏は「FRBは来年初旬まで買い入れ縮小に着手せず、利上げは2023年終盤まで実施しないとの見方を変えるものはなかった」と述べた。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.3%安の90.576。
ユーロは対ドルで0.3%高の1.2126ドル。ドルは対円で0.1%安の108.59円。
暗号資産(仮想通貨)のイーサリアムは2747.01ドルに上昇し、過去最高値を更新した。
ドル/円 NY終値 108.59/108.62
始値 108.91
高値 109.00
安値 108.58
ユーロ/ドル NY終値 1.2123/1.2127
始値 1.2066
高値 1.2134
安値 1.2058