Olena Harmash Pavel Polityuk
[キーウ 23日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、首都キーウ(キエフ)と第2の都市ハリコフがロシア軍のミサイル攻撃を受け、18人が死亡し、130人以上が負傷したほか、住宅やインフラに被害が出たと明らかにした。
ロシア軍は東部ハリコフを3回にわたり攻撃。南部ヘルソン州なども攻撃を受けた。
ゼレンスキー氏はビデオ演説で、ロシア軍がウクライナの防空システムをかいくぐるため、異なる種類のミサイル約40発による攻撃を行ったと述べた。
139戸の住居を含む200カ所以上に着弾したとし、一般市民が暮らす高層集合住宅で多数の死者が出たと語った。
<ハリコフ市>
ハリコフ市では集合住宅などが攻撃を受け、8歳の子どもを含む少なくとも8人が死亡、少なくとも57人が負傷した。ハリコフ州のシネグボフ知事は、ハリコフ市内で100を超える建物が被害を受けたとしている。
国営エネルギー会社ナフトガスによると、ハリコフのガスパイプラインも被害を受けた。エネルギー当局によると、電力インフラも被害を受けたため大規模な停電が発生している。
<首都キーウ>
首都キーウでは防空システムが早朝から作動。救急隊によると、少なくとも3地区で子ども4人を含む22人が負傷した。集合住宅のほか、医療機関や教育機関などが被害を受けたとしている。
国連調整官のデニス・ブラウン氏によると、キーウにある国連事務所のすぐ隣でも被害が出た。
<首都上空でミサイル迎撃>
ウクライナ空軍は、ロシアが発射したミサイル44発のうち22発を迎撃したと発表。キーウ当局者はこのうち約20発は首都上空で撃ち落とされたとしている。
南部ヘルソン州のプロクジン知事はロシア軍機による攻撃が1日中続いたと述べた。当局は2人が死亡したとしている。このほか、南東部の都市パウロフラードでも1人が死亡した。
<ロシア「民間人標的にせず」>
ロシア大統領府はこの日のキーウとハリコフに対する攻撃に関連し、ロシア軍がウクライナで民間人を標的に攻撃することはないと改めて表明。ロシア国防省はこの日、ミサイルのほか、爆発物や弾薬を製造する企業を攻撃したと発表した。