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あいHD Research Memo(10):金融機関向けが増加傾向

発行済 2016-03-25 17:16
更新済 2016-03-25 17:33
あいHD Research Memo(10):金融機関向けが増加傾向
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■中長期展望 (4)カード機器事業の拡大 既存のカード機器事業も今後は拡大が見込まれる。
以前のカード機器事業は約90%近くが病院向け(診察券発行機等)であり、安定的ではあるが大きな伸びは期待しづらい部門であった。
しかしここ数年は、地方銀行や大手都市銀行などでキャッシュカード即時発行機の導入が拡大し、金融機関向けが少しずつではあるが増加傾向にある。
さらに今後は、これらの既存製品に加えて新規に子会社となったNBS Technologies Inc.(Canada)の業績が加わる。
NBS Technologies Inc.(Canada)の主力事業は金融機関向けの大型カード発行機だが、日本での同市場は日本データカード(米国Entrsut Datacard社とトッパンフォームズの合弁)が90%以上のシェアを握っている。
あい ホールディングス (T:3076)も以前からこの市場に対しては、NBS Technologies Inc.(Canada)製品を輸入して参入を試みていたが、思うようには進まなかった。
しかし今回、直接NBS Technologies Inc.(Canada)を傘下に収めたことで、同市場への参入を本格的に進める計画だ。
しかし実際に日本データカードの市場シェアを奪うためには、より安価な製品が必要であり、現在この課題に国内外の技術部門が共同して取り組んでいる。
さらに営業力の強化も必要であることから、足元は経費先行となり今期のNBS社の業績は低迷している。
しかし中長期的に必要な投資を行っているためであり、近い将来は収益寄与が見込めるはずだ。
もう1つ注目すべきは、今回の買収によって同社グループに加わったNBS Technologies (US)Inc.(NBS Technologies Inc.(Canada)の孫会社)がICカード用ソフトウェアの技術を持っていることだ。
このICカード用ソフトウェア技術は、日本においては大日本印刷 (T:7912)、凸版印刷 (T:7911)、日本データカード(株)がほぼ独占していたが、今回の買収によって同社もこのソフトウェア市場へくさびを打つことが可能になった点は大いに注目できる。
NBS Technologies Inc.(Canada)の業績は5年後に売上高8,680百万円、営業利益1,600百万円が計画されていた。
立ち上がりが遅れてはいるが、将来的に全社業績に大きく貢献しそうだ。
(5)中期の利益目標 同社は今まで中期経営計画の数値目標を発表することはなかったが、今回CEOの佐々木氏から「営業利益100億円が射程圏内に入ってきた」との発言があった。
1)既存事業が大きく減少することはなく、2)現在の成長エンジンであるセキュリティ事業及びシルエット(事業)が順調に拡大する、3)今期より新た加わったラベルプリンタが計画どおり伸びる、4)新規子会社となったNBS Technologies Inc.(Canada)の業績が計画どおり達成できる、などの条件がそろえば、2017年6月期にもこの目標をクリアする可能性はありそうだ。
実際には3)、4)は立ち遅れているが、1)、2)が予想以上に好調であることからこの目標達成の可能性は高そうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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