Padraic Halpin Yadarisa Shabong
[ダブリン 12日 ロイター] - 欧州梱包材最大手メーカーでアイルランドを拠点とするスマーフィット・カッパは、同業で米第2位のウエストロックを110億ドルで買収することに正式合意した。世界最大の梱包材メーカー「スマーフィット・ウエストロック」が誕生し、合計時価総額は200億ドルに達する。
ウエストロックの株主は従来の1株に新会社1株と現金5ドルが割り当てられ、43.51ドル相当を受け取る。アナリストの間では、スマーフィットが支払うプレミアムは大方の投資家の期待を上回ったとの声が出ている。
スマーフィット株主は従来の1株と新会社1株を交換し、来年第2・四半期中と見込まれる統合手続き完了後の新会社における持ち分は約50.4%となる。
独占禁止法問題についてスマーフィットは、同社の事業が欧州と中南米中心、ウエストロックが米国で、重複部分は限られるため、メキシコ市場で相応の対策を進める以外に懸念はないとの見方を示した。
梱包材業界は、新型コロナウイルスのパンデミック期間の巣ごもり需要などで追い風が吹いたが、足元では消費の重点がサービスに移行しつつあることや、顧客企業が梱包品の在庫圧縮に乗り出した影響で苦戦を強いられている。こうした中で両社の統合は、足場を強化し、逆風を切り抜ける態勢を確保する狙いがあるとみられる。