[東京 15日 ロイター] - 15日の株式市場で楽天グループが3日続伸し、年初来高値を更新した。株価は一時、4.1%高まで上昇した。先週末に公表された決算や、楽天モバイルのKDDIとの新たな「ローミング」(相互乗り入れ)協定を手掛かりにした買いが先行している。
市場では「足元の業績は厳しい状況だが、KDDIとのローミング協定によって、今後は投資に伴う赤字幅が圧縮されるとの期待感から、ショートカバーの買いが入っているようだ」(国内証券・アナリスト)との指摘が聞かれた。
同社は12日、2023年1─3月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が825億円の赤字(前年同期は918億円の赤字)だったと発表した。先行投資が嵩むモバイル事業の低迷が響き同期間としては4年連続の赤字となった。財務強化策についても相次ぎ公表。設備投資を今後3年間で約3000億円削減する方針も明らかにした。
一方、11日に公表したKDDIと東京23区などの大都市圏で他社から回線を借りる新たな「ローミング」契約については、目標に掲げてきた月間約150億円程度の費用削減に寄与するという。