Leika Kihara
[東京 9日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のギータ・ゴピナート筆頭副専務理事は9日、ロイターとのインタビューに応じ、日銀は利上げの際に段階的に行動し明確なコミュニケーションを維持すれば、政策変更で世界に多大な影響を及ぼすことを回避できるとの認識を示した。
日本の国内総生産(GDP)ギャップは来年にかけて引き続き埋められた状態が続くと指摘。今年の春闘では昨年以上の賃上げが実現し、日銀は長短金利操作(イールド・カーブ・コントロール、YCC)と大規模な資産買い入れを終了できるだろうと述べた。
マイナス金利の解除もスムーズに進む可能性が高いと指摘。投資家はインフレ調整後の実質借り入れコストが非常に低い水準で維持されることを明確に認識していると述べた。
ただ、その後の短期政策金利のさらなる引き上げは数年かけて段階的に行うべきだと主張。「最初の引き上げが2カ月後でも3カ月後でも、重要なポイントは(金利を)緩やかに数年かけて引き上げることだ」と発言。
「日銀が示唆している通りに緩やかに動き、適切なコミュニケーションを維持すれば、世界に非常に大きな波及効果を及ぼすことはないはずだ」と述べた。
緩和政策からの脱却では国内金融システムの安定を維持することも重要だと指摘。大手銀行だけでなく、中小銀行にも最低流動性基準を示すといった措置を挙げた。
日本で中立的と考えられる金利水準には不透明感があるが、IMFの一部試算では中立的な水準であれば名目金利が1─2%になることが示唆されているとも述べた。 景気の先行き不透明感を踏まえると、短期金利引き上げの回数とペースはデータ次第とすべきだとも発言。
「段階的に動くというのは、入ってくるデータに自信を持ち、時期尚早に動かないようにし」、下振れリスクを引き起こさないようにすることだと述べた。
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