暗号資産(仮想通貨)の価値を探る方法として、「メトカーフの法則」とよばれる計算方法がある。
メトカーフの法則とは、「ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の二乗(n2)に比例する」というものだ。
電話やインターネットなどネットワークの価値は繋がるモノが多ければ多いほど価値が向上するという意味合いで、電話を例に挙げると、世界で2人しか使用していなければ、「1対1」の繋がりしかなくネットワーク価値は限定される。
一方、世界中で電話を使用する人が多い状況となれば、「ユーザ数×ユーザ数」という計算式でネットワーク価値は膨れ上がる。
この法則にビットコイン(BTC)のユニークアドレス(取引活動があるアドレス)の数を用いてフェアバリューを計算した結果、4月16日時点のビットコインのフェアバリューは9,564ドルとなった。
足元、7,100ドル台で推移しているが、ユニークアドレス数の推移を参考に算出されたフェアバリューから比較すると市場価格は割安と見ることもできる。
また、今後のシナリオも下記の通り計算している。
(ユニークアドレスはBlockchain.com、ビットコイン価格はCoinMarketcapより)ただし、足元ではビットコイン価格の急落後、5月上旬に半減期(マイニングの報酬が半減するタイミング)を控えている。
半減期後にマイナーが得られる報酬として市場に新規供給されるビットコインが半減することで、価格が上昇しなければマイニング参加者が減少してリスクが上昇するのではないかといったさまざまな懸念がある。
半減期前後の値動きには引き続き注目したい。
〇2020年4月16日時点のユニークアドレス数をベースに、3つのシナリオで計算「Neutralシナリオ(年率10%増加)」「Upperシナリオ(年率30%増加)」「Underシナリオ(年率10%減少)」「Neutralシナリオ(年率10%増加)」・2020年末予想・・・11,572ドル・2021年末予想・・・14,002ドル・2022年予想・・・16,943ドル「Upperシナリオ(年率30%増加)」・2020年末予想・・・16,163ドル・2021年末予想・・・27,315ドル・2022年末予想・・・46,163ドル「Underシナリオ(年率10%減少)」・2020年末予想・・・7,747ドル・2021年末予想・・・6,275ドル・2022年末予想・・・5,083ドル一方、ユニークアドレスの推移を確認すると、2017年12月をピーク(100万件)に40万件から60万件の間の水準で横ばいとなっており、右肩下がりのような動きはまだ見られていない。